( Prescription )
This was an example which a text could affect on our feeling. If you could feel a shaggy one on your face, it was successful. It was written all by Japanese, but you did not mind. When you open this page, you could feel this weird one. It was just okay to scroll the story. This was THE POWER by THEM.
In 1997, these had slimy ones more. As a reference, I also uploaded them below. These had stronger abnormity than this page.
If you could understand Japanese language, you would understand how authors were put on brain-busy situation when they made a new story. In this story, I also expressed as it was. The world which reality and fiction were mixed up was. You could realize how the creators were interfered by something.
As the reference, I translated the story below after Japanese text. If you read it well, you might have understood what were the icons created in your mind. By the way, the words lined red marker were the parts which THEY falsified my original text. They had changed the text to the old one somehow. The text we could read was the mixture of old one and new one.
ボディコン戦隊セクハラ5
ACT.5 歌う愛のトレンディ大作戦
ここは新戸町(しんとまち)カサデラスの地下13階。
例によって、その日も悪のセクハラ秘密結社であるMJ-12は、いかにしてボディコン戦隊を潰すか、寝ずの議論を続けていた。
この日の会議には、いつものメンバー、国士武僧(こくし むそう)、崇杏子(すう あんこ)、蒋参元(しょう さんげん)の3人に加え、若ぶりな男女ペアが一組参加していた。二人とも若くしてMJ-12のメンバーに選ばれた優秀な改造人間たちである。
女のほうはウェットなショートカットが特徴的なキャリアウーマン風の女、恋縫(れん ほう)であった。これは世をしのぶ仮の名前であり、本名は音鼓(おとこ)ひでりという。見た目に気が強そうであったが、本当に気が強かった。
男のほうは流支万岩(ながしまん がん)といった。
もちろんこれも仮の姿である。本名は娜苑月人(なおん げっと)。見た目には30代の落ち着いたエグゼクティヴにみえる。現実世界では俳優として成功していた。
2人はすこし系統が違うが、トレンディなタレントとしてTVでそれぞれに活躍している有名人であった。それが今回の作戦で、崇杏子に助力を頼まれた理由である。
崇杏子は、国士武僧を前にして自説を展開する。
「……これまで我々は、ボディコン戦隊という強敵の出現に対して、力でもって正面から対決を挑んできました。
しかしテン坊・チー坊の敗北を見ても明らかなように、我々の力押しに対して、ボディコン戦隊は一歩ひいて逃げ勝つというプロの技を見せつけています」
「まだ青いのにやってくれるよね」
恋縫が口をはさんだ。
「このような余裕ある戦い方ができるのは、ボディコン戦隊が高度に訓練された組織であるからに外ありません」
『本当にそう思うか?』国士武僧が思わずツッコミを入れたが、杏子の耳には届かなかった。
杏子は主張を続ける。
「優れた組織には優れた指揮系統があります。我々がこの戦いにおいて勝利するためには、まず、その優れた指揮系統を破壊することが第一です。
もし我々が尽力してボディコン戦隊の指揮系統に入り込み、それを破壊、もしくは混乱させることができれば、今後の戦いが非常に有利になるのは間違いありません。
しかしボディコン戦隊の指揮系統、あえて形容すれば『華麗なる世界』はそう簡単に破壊できるものとも思えません」
「機械的でない精神世界だけに、物質的に壊しようがないアルな」
MJ-12のマッドサイエンティスト・蒋参元が言った。
「そう。そのとおりです」
杏子はそのキラリと光る発言に少し驚いた。
「完成された精神世界は普遍ネー。これ、中国四千年の歴史が証明してるのコト」
と、彼はさらにガラにもないことを言う。
「その、破壊しにくい精神世界による命令系統を破壊する方法があるとすれば、それは、それを上回る精神世界を構築してその精神世界を駆逐し、乗っ取ってしまうことです!」
国士武僧は彼女の話に感心しながら聞き入っていたが、あえて
「あの、他の追随を許さない唯我独尊の世界を打ち破ることのできる精神世界が他にあるのか?」
と杏子に問うてみる。
「分かりません」と杏子。
「分かりませんが、あの独善的な世界と我々のいる世界との違いを私は見つけだしました。ボディコン戦隊は『トレンディ』ではないのです。あまりにも我が道を行き過ぎてて、彼女らは現代的でないのです!
ここに私はボディコン戦隊の世界に付け入るスキを見いだしました。幸いにして、彼女らのうち、男に恵まれているのは1人だけです。
そこで今やトレンディ俳優の代名詞となっているお二人、恋縫と流支万岩さんのお二人に御登場ねがうというわけです」
そう言って杏子は、恋縫と流支万岩の二人を紹介した。
「ある日突然、ボディコン戦隊の面々がトレンディな愛の嵐に巻き込まれたら?―――いくら彼女らといえども自分たちのしがらみも忘れてトレンディな愛の世界に巻き込まれずにはいられないでしょう!」
「そこで作戦です」
杏子がそう言うや、そばで話をきいていた恋縫が指をパチンと鳴らした。
すると突然、部屋の明かりが消えて、部屋中が暗闇に包まれた。暗闇の中を、どこからか現れてきた黒子たちが激しく動き回りだし、国士武僧の前に、ジオラマ模型を据え置いて逃げた。なんのために使われるのか分からない新戸町の全景ジオラマである。また美術係が徹夜で作らされたのだ!
崇杏子と恋縫がその前にならび立つと、黒子によってその二人にピンスポットが当てられた。二人はいつの間にか、白衣に黒眼鏡という研究者風の服装に着がえている。
「トレンディといえば、私の出番」
恋縫が、似合わない眼鏡をかけ直しながらそう言い切った。
「恋縫よ。お前もか…」
国士武僧は心せずつぶやいていた。
「この私がボディコン戦隊を止まらないラブ・ストームに巻き込んで差し上げましょう」
と、恋縫はさらに言い切る。杏子が続けて言う。
「今回の作戦名はこちらで用意しました。作戦名は
『――東京恋物語――
101回目もプロポーズという名のもとにこの世の果てでずっとあなた
を愛していると言ってくれ』(長い)
---です」
その言葉と同時にBGMが流れだした。甘くせつない恋心をかき立ててくるこのメロディーは、有名な歌手グループ『オフロード』のものである。
「今回の作戦のために、あの有名な歌手グループ“オフロード”にこの曲を特別に書かせました。私の顔がアップになったときには必ず、この曲が前面でせきを切ったように流れだします」
と恋縫は言い切った。
突然にこの押しの強いメロディーが流れ出したのは、どこかで誰かのカメラが恋縫をアップで捉えたためである。そんなことになんの意味があるのかは定かでないが、カメラのフレームに入るだけでいきなりこの曲がバンバンと流れ出してしまうのだ。そのままドラマにしてしまうつもりでもあるのか、彼女たちの周りには黒子カメラマンたちが大量に放たれており、あらゆる角度から彼女たちの姿を捉えていた。
「そんなことはどうでもいいが、杏子よ。その作戦名で著作権はクリアしているのか?どこぞの作家のように不用意に元ネタをバラして、また意味もなくバージョンアップしても知らんぞ?」
と、国士武僧は少し心配になって問うた。が、
「大丈夫です。我々に著作権のことなど関係ありません(不可)。どうせ、パクリでやられるのはこの作者だけです《やめてくれっ!》」
と杏子は言いきって平気であった。
国士武僧はこの話から一歩ひいて傍観することにした。
杏子が本題に入る。
「では具体的な作戦内容に入ります。
まず舞台はここ、新戸町のブティック『ロゼ・アルジャン』―――」
壁にある大型モニターには、とある街角にある洋服屋の今が映し出されていた。ボディコン戦隊のリーダー・志津麗奈(しつ れいな)が経営しているブティック『ロゼ・アルジャン』である。
(つづく)
モニターには、『rose argent』という小粋な看板が飾られた店の風景が映し出されていた。店の奥に、ここでマヌカンのバイトをしている瑪茄社奈伊(ばかじゃ ない)の姿が映し出されている。ちなみにこの店の店長は門幻菜乃(もんげん なの)であったが、今日は店に出勤していないようであった。
「まずはこのブティック、ロゼ・アルジャンを舞台として恋愛ドラマを作ります。主人公は現時点では特定しません。店長の門幻菜乃、店員の瑪茄社奈伊、八田弥代(やだ いやよ)、あるいはアルバイトの辺那八津子(へんな やつこ)。リーダーの志津麗奈(しつ れいな)をうまく話に取り込むのが最も効果的かと思いますが、うまく話に取り込めた者を今回のヒロインとします。
とりあえずここでは、一番ねらい目と思われる瑪茄社奈伊を主人公に設定してあります」
モニターには、ヒマそうにカウンターであくびをしている瑪茄社奈伊の姿が映されている。
「物語は、周りに女性しかいないという職場環境に一人さびしい思いをしているヒロインが、クールかつトレンディにしてコンサバティヴでもあるヤング・エグゼクティヴ・長島と偶然に知り合ってしまうというところから始まります」
「出会う方法としては、--街角で偶然肩がぶつかる。職場で大失敗をやらかした相手の客が彼だった。乗っていた車が故障してその車を修理してくれたのが彼だった。サークルの飲み会で偶然知り合った。電車の中で痴漢されたと勘違いした相手が彼だった。実は同じセクハラ仲間だった--などと、接触する方法は手段を選びません。
そうして二人は知り合い、長島は彼女の店にも足を運ぶようになります。しかしここでまたドラマチックな出会いが起こってしまいます。じつは長島はヒロインの上司である門幻菜乃のかつての恋人だったのです。この衝撃的な再会が、二人の間に微妙な三角関係を生じさせてしまいます」
「上司・門幻菜乃はもう一度長島の愛を取り戻そうと願いますが、しかし長島はヒロインのことが忘れられない。話はややこしくなって、ヒロインの立場は非常に悪いものになります。ヒロインは上司との長島をめぐる軋轢もあって、いたたまれず店を飛び出し、新たなる恋を求めて旅に出てしまいます。
こうしてボディコン戦隊のメンバーが一人消え、ボディコン戦隊には消すことのできない亀裂が生じてしまいます。その命令系統は当分ズタズタになってしまうことでしょう。しかし、我々の愛の嵐はこれくらいではすまないのです。
新たなる恋が第二のヒロインを生み出します。
第二の恋のヒロインは辺那八津子に設定してあります。彼女は男まさりで男知らずな女子高生であり、とまらない愛の嵐の前にはひとたまりもないと思われるからです。しかし、こうして我々のトレンディドラマもOLモノからコギャルモノへ変わってしまうのです」
「ここからは私が説明しましょう」
と、恋縫が杏子の説明にとって代わった。
突然、バックから、オフロードのあのせつないミュージックが流れだした。きっと誰かのカメラが恋縫の顔をアップで捉えてしまったに違いない。今にも『かんち!』とか、叫びだしそうである。
しかし恋縫は、妙に乙女チックな声色を使ってストーリー説明に入っていくのである(皆口裕子調)。
「―――ちょっとミリタリーなヒロインは夢見る女子高生。いつもステキなベトコンとの出会いを求めて戦場を行ったり来たり。彼女のあこがれは幕僚の山完都(さん かんつ)大佐。でも彼女に大佐は高根の花。彼の前ではうまく口を利くこともできないの。
ベトコンの陣地を攻撃しに行ったときも、彼女は大佐にいいところを見せようとして大失敗。大佐にもこっぴどく叱られちゃう。
彼女の唯一の支えは無二の親友、八田弥代二等兵。彼女は明るい性格でヒロインを勇気づけてくれるけど、彼女にはまだ戦争とTVゲームの区別がつかないお困り者。大佐はヒロインよりも司令部付の恋縫少佐にお熱で、大佐との間は開くいっぽう。。。
でもある日、ベトコンが大挙して攻め込んで来て彼女の陣地はてんやわんやの大騒ぎ。大佐の部隊は窮地に立たされちゃって、ヒロインのところも大混乱。でも恋縫少佐は素早く部隊を立て直して、ついて来れないヒロインたちなどは見捨てて単独で大佐を救出しちゃうの。こうして二人は愛し合い、結ばれてハッピーエンド。ああ素晴らしい。。。」
最後は地に戻りながら、恋縫は勝手に自己満足した。
「―――設定に無理がないか?」
国士武僧が問った。
「それは大丈夫です」
恋縫は言い切った。
設定に無理があるのはこの物語自体なので、国士武僧も深くは追及しないことにした。それに山完都といえば、昔、特殊部隊に所属していたベトナム帰りの男として有名な改造人間であったから、人物設定自体に無理はない。
「ともかくヒロインとその友達はベトコンに連れ去られてしまい、かくしてボディコン戦隊はまたも重要メンバーを2人も失ってしまうことになるのです」
恋縫は付け加えた。恋縫の章はこれで終わり、杏子がまたストーリー説明に帰ってきた。
「こうしてズタズタになったボディコン戦隊の生き残りに、第三の愛の嵐が襲いかかります。二度あることは三度ある。我々の攻撃はこの程度では終わらないというわけです。
今度は恋に悩む男女のストーリー、コンプレックスものです」
「第三のヒロインは志津麗奈に設定してあります。今度のヒロインはハイ・ソサエティーな女性に設定されており、この点では門幻菜乃との互換性もあります。第一の愛の嵐で門幻菜乃が無傷だった場合、彼女をヒロインにするということも考慮に入れておきます。
仕事には満足しているが恋愛に満足していない大人の女性であるヒロイン・志津麗奈の前に、ある日、蒋参元が現れてきます。例によって、接触方法は手段を選びません。誰かが既にボディコン戦隊との接触に成功していれば、その友達ということでよいと思います。
モテない短足な男・参元はヒロインに一目惚れし、最後のチャンスとばかりに盛んにアタックをかけます。不思議な存在感のある参元にヒロインは心魅かれますが、参元はなぜか言葉をしゃべることがありません。
そう。彼は言葉を話すことが出来なかったのです。。。」
「表向きは参元に距離を置きつつも、しかしなぜか参元に心魅かれてしまうヒロイン志津麗奈。彼女は参元の言葉を理解しようとするうち、だんだんとそのマッドなオタク世界に引き込まれていき、101回目には知らぬ間に改造人間として生まれ変わってしまうのです。
こうしてボディコン戦隊の全員が次々と繰り出された愛の嵐に巻き込まれ、生き残った者もかなりの恋の深手を負っており、我々が新たに送り出した改造人間の攻撃の前にはひとたまりもなくなってしまいます。内部から崩壊した部隊に組織的な抵抗能力はないからです。以上です」
崇杏子の説明がやっと終わった。
「お前たち、作家をやった方がいいぞ」
と、国士武僧が感想をのべた。
「ありがとうございます」
杏子と恋縫は素直に礼をする。
「よし」と国士武僧。
例によって、意味不明な作戦暗号名の付け方で命令を下す。じつは彼らには独自に作成された『まじょっこ歴』なるものがり、彼らの行事すべてがそれによって動かされていたのである。
「さっそくこれを実行に移せ。今日は魔法使いチャッピーの月3日だ。よって作戦暗号名は第三話『パパはナニ屋さん』だ。分かったな?」
「ジーク・ジオン!」
杏子たちも、アニメチックな敬礼で了解した。
(つづく)
* * *
MJ-12の主要メンバーの一人である流支万岩は、お目当ての奈伊ちゃんのハートをゲットするべく新戸町をうろついていた。秋めいた黒のスーツを洒落て着こなし、ビルのミラーに写る自分の姿をしきりに気にしている。
ネクタイが曲がっていないか、背中は曲がって見えないか、ヘアースタイルが乱れていないか、他人からおかしいと思われていないかなど、彼のチェックするべきところは数多くあった。彼は今、口数の少ない二枚目な30代前半の男『長島』を演じているのだ。
流支万は自分の横を通りすがる女性のあつい視線を敏感に感じつつも、お目当ての奈伊ちゃんの姿をさがし続けている。
奈伊は新戸町の繁華街にいた。これといった目的もなさそうに、町中をぶらついているのを見つけた。
ターゲットを見付け、軽く自分の髪をかき上げてみせる流支万。作戦開始である。彼は無言のまま奈伊のほうに近づいていく。その手にはケーキの入った箱が握られている。ケーキをぶつけて落とし、それをきっかけにしようという作戦である。
その日の奈伊はただなんとなく町をぶらついていた。今日、流支万と運命的な出会いをしようなどとは予想だにしていない。その視線は宙を泳いでおり、不意にパチンコパーラーの看板が目についた。すると思わずパチンコ屋のほうに足が向かってしまう奈伊ちゃんであった。
ふいに奈伊の歩く方向が変わり、「ああっ」とか言いながら、その横を通り過ぎてしまう流支万である。
これで、ケーキをわざとぶつけて落としてこれをきっかけにしようと目論んでいた流支万の作戦はもろくも失敗してしまった。が、これくらいでメゲる彼ではない。うまくぶつかるまで、奈伊につきまとうまでであった。
彼は今日中に奈伊との接触を成功させるつもりであった。流支万はパチンコ屋に入った奈伊がそこから出るのを待ち続けた。
しかしいつまで経っても彼女が出てくる気配はなかった。奈伊は店でパチンコ台を一つ大放出させていたのだ。それでも彼は待ちつづけた。恋愛には忍耐も必要である。それだけで彼の貴重な半日は過ぎてしまった。
既に夜もふけて、台を打ち止めにさせた奈伊が店から出てきた。彼女の両脇には景品が山盛り抱えられている。
流支万の目がキランと輝いた。チャンスである。奈伊はよく前が見えていない。彼は奈伊の方へ急速に歩み寄って行った。
あと少しで二人はぶつかるというところまでいったが、寸前でまた奈伊が思い出したように歩く方向を変えてしまった。換金を忘れていたのである。奈伊は換金所のほうに向きを変え、それでまた、流支万は奈伊の横をすり抜けるだけになってしまった。
「できる!」
流支万はその身のかわしのうまさに思わず唸ってしまった。
流支万はそのままパチンコ屋のウィンドウにぶつかってしまった。が、奈伊はそんな流支万には気付かず、換金を済ませ、夜もふけたので家に帰ろうとしている。
流支万は手にしていたケーキをあやまって潰してしまったが、そのくらいでメゲる彼ではなかった。つぶれたケーキに見切りをつけ、家路を急ぐ奈伊の後を追っていく。恋愛に犠牲はつき物なのだ。
流支万はなんとか奈伊に接触しようと試みたが、ヘタに近づこうとするその様は、道をあやまって痴漢に走ってしまったサラリーマンのようでもあった。彼も痴漢に走れないこともなかったが、それは今後の作戦に支障があると思われてそんな勇気はわいてこなかった。彼の二枚目の看板にも傷がつく。
そうこう戸惑っているうちに、奈伊は自分の家に到達してしまっていた。奈伊の家の前に立ってただ呆然とするしかない流支万であった。
今日成功するはずだった彼女とのステキな出会いもこれで一時お預けである。
しかし流支万はあきらめることなく、奈伊の家の周囲を何度もめぐり、双眼鏡まで取り出して奈伊の部屋の様子をうかがった。なんとかして自然な恋愛関係を結ばなければならない。恋愛に事前調査は必要である。彼はいかにも探偵を装いながら、堂々と奈伊の家の周囲を調べまくった。
その結果、奈伊は自転車を持っていることが判明した。彼に悪知恵が働く。奈伊の自転車をパンクするように仕組み、修理に困っているところへ自分がさっそうと現れて、パンクを修理してあげて顔見知りになってしまおうという作戦を思い付いたのである。
流支万はすぐさまそれを実行に移した。
奈伊の自転車を夜通しバラして壊れやすくし、さらにタイヤのチューブにヤスリをかけてパンクしやすくした。彼のやることは段々と犯罪めいてきたが、最初からセクハラ目的だったのでどうでもよいことだった。恋に危険はつき物である。それに彼女が転倒してケガでも負えば、介抱してあげたときの感謝の念も倍加しようというものである。
彼はさらに近くの自転車屋に押し入って修理道具を盗みだし、万全の態勢を整えた。
次の日まで、流支万はずっと奈伊の家の前に立っていた。彼は通りにまきびしをびっしりとばらまき、そこを通れは簡単にパンクするようにもしておいた。これは近くにある忍者屋敷に押し入って盗んできたものである。
流支万はずっと奈伊が家から出てくるのを待っていたが、彼女はとうとうその日外に出ることはなかった。その日、奈伊は非番だったのである。食料は昨日パチンコで稼いでいたので、外に出る必要もなかった。
流支万は、予測外な行動を取る奈伊から目を離すこともできず、ずっと彼女の家の前に立ち続けていた。その間に、通りのまきびしに引っ掛かり、2台の車と3台の自転車と4匹の犬猫が事故ってしまった。が、これもやむを得ないことである。恋愛とはある意味、手前勝手な自分たちだけの世界であり、周囲の犠牲も厭んではならないものだからである。
次の日になって、やっと奈伊が外に姿を現してきた。
しかし彼女は徒歩で出勤してしまった……
その間にもまきびしに引っかかって、さらに一台の車が事故ってしまっていた。流支万はここにきて、ついに自分の作戦の失敗を認めざるを得なかった。もはや自力では奈伊と接触するのは困難と思われていた。
そこで彼は事故った自動車の中から携帯電話をうばい取ると、MJ-12の本部へ連絡をとることにした。
「……流支万が奈伊との接触に失敗したそうです」
と、その電話を受け取った崇杏子が報告した。
「そうか…」
国士武僧は最初、その報告を適当に聞き流していた。
(つづく)
「……流支万が奈伊との接触に失敗したそうです」
と、その電話を受け取った崇杏子が報告した。
「そうか…」
国士武僧はその報告を適当に聞き流していた。
『あ、流支万だが、至急ターゲットとの出会いの場を取り持ってくれ』
と、電話口の声が総本部にモニターされたが、国士武僧は特にそれを相手にしようとも思わなかった。しかし携帯電話をかける姿がよく似合う流支万ではある。
国士武僧はどうするか少し迷ったが、このままダラダラと話を続けるのも面倒なので、彼はいきなり魔法の呪文を唱えてしまうことにした。
=========================
∥ こくしむそうは まほうのじゅもん をとなえた。 ∥
∥ ▽ ピロピロピロピ~!
∥ ナガシマは うんめいてきなであい をした。 ∥
∥ ナイは うんめいてきなであい をした。 ▽ ∥
=========================
―――こうして、奈伊と運命的な出会いを遂げた流支万は、奈伊の勤めるブティックへ足を運ぶことにした。いかにして門幻菜乃との出会いを運命的なものにするかであるが、既にそのシナリオは流支万の頭の中に出来上がっている……。
(これより、流支万の頭の中)
……俺は奈伊との間に芽生えた愛をさらに深めるため、シックな黒のスーツで全体を落ち着いた雰囲気にまとめ、『仕事のついで』という名目で、奈伊が勤めているブティックを訪れることにしてみた。
『あ、流支万さん!』
奈伊は自分の姿を見るや、驚いたように声を上げた。ふとした偶然から知り合った彼女だが、自分との間はもう既に愛が芽生えているかのようにときめいている。
『ちょっとした用事でこちらに来ることがあったんでね。ついでに寄ってみたんだ』
と、彼女に会いたいとはやる心をごまかすように言う俺。
『お忙しいのに、わざわざ有り難うごさいます』
と、奈伊は営業スマイルで礼を述べた。まだまだ二人の間には距離があるようだが、自分に好印象を抱いているのは間違いない。あと一息である。ここで俺はとっておきの小道具を取り出すことにした。
『ここにチケットがあるんだ。
荒川渓流下り~to the Yumenoshima~ミスティック・ナイトクルーズ。
チケットは2枚あるんだが、相手がいなくてね。君をどうかと誘いに来たんだけど、今晩どうかな?』
俺の言葉に奈伊の瞳がらんらんと輝きだした。荒川といえば、今やナウでヤングなカップルがこぞって集まる今一番ホットでハッスルなリバーサイドプレイスである。奈伊も一度行ってみたいと思っていた所に違いない。
『えー、ホントですかぁ? 私も、一度あそこに行ってみたかったんですよ。そこに流支万さんと行けるなんて、夢のよう。。』
奈伊は無邪気に喜んでいる。これはもう、今夜はとびっきりの熱いハニームーンナイトといったところか。
そのとき突然、自分の携帯電話がコールされた。
俺はさっそうと携帯を取り出すと、不意に飛び込んできた仕事に適確に対処した。こうしていかにも仕事のできる男であるというところを彼女の前で披露してみせる。
『流支万さんて、仕事もできるんですね』
奈伊はそう言ってできる自分に嘆息を漏らし、ますます熱い視線で俺を見つめてきた。これくらいで仕事ができると思うこの女は可愛い奴だと思いつつも、自分は携帯をしまって代わりにチケットを取り出した。
それを見て、奈伊の目の色が変わる。
『ナイちゃん、どなた?』
不意に奥から声がした。
振り向くと、そこには見覚えのある女性の姿があった。俺は思わず目を疑った。店の奥から現れたのは、かつて俺が唯一心を許した女性、門幻菜乃だったからである。知らぬ間に彼女は、このブティックの店長になっていたのだ。
営業スマイルで愛想をふりまく彼女の顔が、俺の視線と合い、次第に驚きの表情へと変わっていった。運命的な何かが、今、自分たちの間で弾けていた….
《がんちっ!》
タララ~ン♪
突然、どこからか、不意にオフロードのあの曲が流れだした。きっと誰か黒子のカメラが恋縫の顔をアップで捉らえてしまったに違いない。
突然、周囲であの曲が大音響で流れだし、そこにいた者たち全員が「どうした?」「どうしたんだ?」と驚きながら周囲を見回しだした。
流支万も、それまで自分が頭の中で描き続けていたシナリオの妄想世界から、急に現実に引き戻され、あわてて周囲を見まわしてみた。誰かのカメラが恋縫の顔をアップで捉えてしまったに違いないからだ。
曲の大きさからして、奴はかなり近くにいるにちがいない。いきなり画面がターンして、どこからかあの恋縫のキツい顔がアップで飛び込んできたらもう最後。すべてがあの女中心に動きだして、すべてが台無しになってしまう。
が、幸いにして、恋縫の姿はどこにも見当たらなかった。作戦の初期段階には絶対に会いたくない女だけに、流支万はほっと胸をなで下ろさずにはいられなかった。
とかなんとかしているうちに、流支万はブティック『ロゼ・アルジャン』に到達してした。流支万は浸り切っていた妄想世界から自分を現実世界に引き戻すと、スーツの襟を正してそれを完全に振り払った。そして長島役を演じる流支万岩を意識しながら、目指す目的のロゼ・アルジャンへと足を踏み入れていく。
ロゼ・アルジャンはその日も、客で大繁盛していた。
しかし、最初流支万が店に足を踏み入れたとき、彼は自分は入る所を間違ったのかと、おもわず目を疑ってしまっていた。店内には新聞を握りしめた中年男たちがたむろしており、BGMに競馬中継が流されていたのである。
しかし表の看板には“rose argent”と書かれてある。やはりここは彼の目指すブティック『ロゼ・アルジャン』である。客の合間には商品の服を着たマネキンが立っていたが、しかしそのマネキンまでが競馬新聞を握りしめている有り様であった。
店のカウンターには門幻菜乃が座っていた。しかし彼女までもがタバコを吹かしながら競馬新聞とにらめっこしている。流支万は知らないことだが、菜乃は無類の競馬好きだったのである。
店の客たちも、そんな菜乃とにらめっこをし続けていた。店に居ならぶ客は、彼女の予想をきいて一儲けしようとたくらむ連中の集まりだったのである。彼らは菜乃の一挙手一投足に注目して、辺りに異様な雰囲気を醸しだしていた。
流支万はとりあえず、奈伊の姿を探すことにした。
奈伊は菜乃のそばにいて、電話で馬券の買い注文を取っていた。流支万は軽く髪をかき分けながら彼女の前に立ち現れると、そっと暖かい視線を彼女に送ってみせる。
「こんにちは。覚えてますか。あのときの長島です」
長島役に入った流支万は、奈伊の瞳を見つめて語り、その熱い視線で奈伊の瞳を釘付けにしていった。と思ったら、すぐそれた。彼女は馬券の買い注文に夢中だったのである。流支万などは周りでたむろっている競馬オヤジと同類ぐらいに思われていたのであるが、無理もない。彼の手には知らぬ間に競馬新聞が握られていたからだ。
『あまり言えないんですが、あそこに行くと知らぬ間に競馬新聞を握らされている自分に気付くことになるんですよ』(事情通)
流支万は「はっ!」と驚いて競馬新聞を投げ捨てると、近くの鏡で服装に乱れがないかチェックする。鏡を見て、自分の顔を二枚目に作り直した後、流支万はふたたび奈伊の前に立ち直した。テイク2である。だが彼の耳にはまだ赤ペンがはさまっていたりもした。
だが彼はそれに気付くこともなく、奈伊へ暖かい視線を送り直してみせる。
が、奈伊はいつまでたっても彼に気付くことがなかった。いつまでも買い注文に夢中で、流支万のことなど眼中にもない様子である。仕方がないので彼はもう一度声をかけることにした。
「こんにちは。あのとき、肩が触れ合って知り合った長島です」
話しかけられて、やっと奈伊は流支万の存在に気付いた。だがそれから先の反応がない。国士武僧の呪文の掛け方が悪いのか、奈伊は思い出したような、思い出せないような複雑な反応を見せている。
そこで流支万はもう一度奈伊に語りかけてみることにする。
「こんにちは。あのとき肩が触れ合って、心が触れ合った長島です」
そう言われて、奈伊の瞳がらんらんと輝きだした。
「あー!あのとき私の目の前でスーパーカブに跳ね飛ばされて裸踊りした長島さん?!」
奈伊の返答は訳分からなかった。
(つづく)
「あー!あのとき私の目の前でスーパーカブに跳ね飛ばされて裸踊りした長島さん?!」
奈伊の返答は訳分からなかった。
「そ、そうです。あの長島です」
流支万も訳分からなくなってしまったが、とにかく彼女に話を合わせることにした。どうも国士武僧の呪文のかかり方がおかしいらしい。流支万は首領の呪文の不確実さをのろったが、どうにもならなかった。
『魔法; 光の門と影の門の間を流れる不可逆的な川の流れの中にあって、その回帰的な有限性の無限性に融合されていく時の泉より摘出された黄金の斧。しいていえば、それは月。アムール』(by.アリオッチ)←おいおい
「お久しぶりですね。今日はどうしたんですか?」
と奈伊が、流支万に聞いてきた。きかれて流支万は例のチケットを取り出そうとして、その視線がそばにいた門幻菜乃と合ってしまった。
菜乃は、奈伊が誰かお客さんと話をしているのに気付いて顔を振り上げただけであったが、流支万と視線があうや、急にその動きを止めてお互いを見つめ合いだした。
しばらくお互いを見つめ合う二人である。
「アノ長島さん?」
菜乃が流支万の名を聞いてきた。
「ええ。そうです。あの、長島です」
予定外の菜乃との接触に驚きつつも、すぐさま流支万の思考は、新たなる恋の始まりを予感させる別の恋愛モードへと移行しつつあった。
シーン2、『驚きの再会』の始まりである。
菜乃の瞳が何かを思い出したように次第に見開かれていき、それに合わせて流支万の瞳も見開かれていく。
《かいっち!》
タララン~♪
突然、あのせつないテーマがせきを切って二人の間で流れだした。意味もなくまた運命的なテーマソングが二人の間で盛り上がる。
流支万の熱すぎる視線に見つめられて、菜乃の頬がぽおっと紅潮し、瞳がうるうると潤みだした。流支万は頼んでもいないあの曲に、どこからかまたあの恋縫が飛び込んでくるのではないか心配しつつも、菜乃から視線をそらす訳にもいかず、とにかく彼女を熱く見つめ続けた。
「君の瞳は百万ドルの価値がある。素敵だ…」
そう言いながら、菜乃に歩み寄る流支万。
“まけたわ…”
真摯な流支万の見つめ攻撃に根負けしたように視線をそらしてしまう菜乃。だが次の瞬間には、急に目の色が変わり、
「はい。アノ=ナガシマさん、1-2 百万買いっち」
といきなり買い注文を飛ばしだした。菜乃はひそかにここでヤミ商売をしていたのである。予想外の大口注文に、その声は心なしか上ずってしまい、その語尾も変なものになってしまう菜乃である。
「あ、イヤヨ。1-2 百万買いっち」
奈伊がすぐさま馬券売り場に電話連絡を飛ばす。彼女もなぜか語尾が変である。
「俺も、1-2 一万買いっち」
「ワシも、1-2 五千買いっち!」
「オレは三千買いっち!」
周りから、流支万の買い方に影響されたのか、同様の買い注文が次々と殺到してきた。しかしどれも、みんな語尾が変である。
流支万はそんな注文はしてないとあわてて奈伊を制止しようとしたが、彼女は客から次々と飛び込んでくる買い注文に忙しく、流支万の制止が耳に届かなかった。
《俺はハメられたのか?》
流支万は呆然としたが、ここから逃げ出す訳にはいかなかった。馬券に百万円もつぎ込む気はなかったが、菜乃と幼なじみになっていないというのには少し問題があった。
そこで流支万は、携帯を取り出して総本部へ連絡することにした。それでまた彼は手に競馬新聞を握らされている自分に気付き、あわててそれを投げ捨てた。携帯に取り代えて電話する流支万である。
しかしその耳にはまだ赤ペンがはさまっている……。
「あいやー。新戸町カサデラス地下13階を全て貸し切っているセクハラ秘密結社MJ-12の総本部アルよ」
と、蒋参元が電話口で応対してきた。
「あ、流支万だが、菜乃が私と幼なじみという伏線がちゃんと設定されてないぞ。首領に頼んで、ちゃんと設定させてくれ」
流支万が蒋参元に向かって吠えた。二人の会話は、国士武僧が座る首領席の電話にモニターされており、途中から国士武僧がその会話に割って入った。
「もう無理だ。作者を買収しろ」
国士武僧は無下に言い切った。1キャラクターでしかない流支万岩にそんなことができるわけがない。
「そこをなんとか。なんとかして菜乃と幼なじみにさせてくれ。でないと、うまく三角関係が演出できないんだ。ここで作戦を失敗させてもいいのか?」
「国士武僧さま。もう一度呪文を唱えていただかないと、私の作戦が台なしになってしまいます」
と、杏子も国士武僧の助力を頼んだ。
「どうなってもしらんぞ」
と国士武僧は杏子を脅し返した。
「そこをなんとか」
と杏子はもう一度頼み込んだ。
「責任はお前が取れよ」
それは杏子への捨てゼリフとなった。
―――突如、作者のパソコンがハッキングされた。
=============================
∥ こくしむそうが あらわれた! ∥
∥ すうあんこが あらわれた! ∥
∥ モンスターは いきなりおそいかかってきた! ∥
∥ すうあんこは こくしむそうをまもらねばならない…。 ∥
∥ ▽ ∥
∥ こくしむそうは りんりいいんかい のじゅもんをとなえた。 ∥
∥ こくしむそうは りんりいいんにへんしんした! ∥
∥ さくしゃは でんげんをきった。 ∥
∥ とつぜんモニターがきえた! ∥
∥ ▽ ∥
∥ こくしむそうが にげだした! ∥
∥ すうあんこに1919ポイントのダメージ!! ∥
∥ せんとうがしゅうりょうした。 ▽ ∥
∥ パーティーは13Gずつのしゃっきんと203ポイントずつ ∥
∥ のけいけんちをかくとくした。 ▽ ∥
∥ すうあんこはレベルアップした。 ∥
∥ パクリが2つアップした! ∥
∥ ▽ ∥
∥ ウソが9つアップした! ∥
∥ ▽ ∥
∥ つみが1つアップした! ∥
∥ バージョンが2.9.1になった! ▽ ∥
=========================▽===
―――かくして登場キャラによる作者への挑戦は、作者が電源を切ってしまうという驚くべき機知によって未然に阻止されてしまい、それによって流支万岩のトレンディ大作戦も失敗に終わることになってしまった。
流支万は一人むなしく夢の島の波止場に立ち尽くすと、沈む夕日に目を遣っている。。。
髪を軽くかき上げ、手にしていたタバコの火を軽く吹かす。彼は奈伊と行くはずだった荒川渓流下りのチケットを取り出すと、それをキザにやぶって海に投げ捨てた。流支万はどんなときでも二枚目なのである。
「それくらいであきらめちゃったの?」
不意に後ろから女性の声がした。
振り返ると、そこには恋縫が立っている。
「あれくらいのことで、もう奈伊ちゃんのことあきらめちゃったの?」
と素敵にエールを送ってみせる恋縫。彼女の瞳は夕日を浴びて、きらきらと輝いてみえる。
「お前ほどしつこくないんだ」
流支万は言い返した。
「私もアンタのフィアンセかなんかで出演しようと思ってたのに、これじゃ私の出番が全然ないじゃない」
恋縫はそう言いながら、ステキに流支万を睨んでみせた。
「これくらいであきらめちゃうの?」
「今回の作戦は失敗だ。もうやめたほうがいい」
「MJ-12に失敗は許されないのよ」
「うるさい!お前が変なBGM流すから話がおかしくなったんだよ!」
怒る流支万である。
「――そう」
その態度に恋縫の顔から笑みが消えていった。
「あなたの敗因を教えてあげるわ」
恋縫も少し怒ったように言い捨てると、つかつかと流支万の方へ歩み寄っていき、お別れの蹴りを流支万にお見舞いしてあげた。
「うわっ!!」
防波堤の上で二枚目していた流支万は、そのまま恋縫の一撃で海へと落ちていく。
「私の出番が少なすぎたからよ!」
と言い捨てて、恋縫はせいせいとしてみせた。
それが本当の敗因かどうか定かではないが、これで今回の作戦は終わりということはなく、これより恋縫がメインのトレンディ学園ドラマが始まってしまうのである―――
(つづく)
* * *
山完都(さん かんつ)、通称カンツ大佐は、また本部から理不尽な命令を受けていた。
「この私に辺那八津子のあこがれの人になれ、と?」
「そう」と恋縫。
「辺那八津子って子はガンマニアだから、あなたが適任なの。あの子の高校の体育教師ということで手配しておいたから、うまく彼女の気を引きなさい」
恋縫は命令口調で言い切った。
山完都、よわい五十を越え、いまだ恋縫のようなガキに使われ続けていたが、もとはベトナム戦争で特殊部隊に所属していたスペシャリストである。彼がMJ-12に忠誠を誓うようになったのは、ひとえに国士武僧の人格にほれ込んだからに外ならないが、結果的にはこのような状態を招いてしまっていた。
彼は組織のため、MJ-12の情報機関として活動していたが、表向きはカンツ探偵事務所を経営する探偵主任である。カンツ大佐といえば、ベトナム帰りのベトコン(ベトナム・コンプレックス)男として業界でも有名である。しかし彼は禿げ頭の屈強な男であり、女子高生どころか、恋愛自体と無縁であった。
カンツ大佐は一度はこの話を断っていたが、国士武僧からの連絡で恋縫の作戦に協力してくれという要請があり、仕方なくそれを受けることにした。が、彼は色恋沙汰が不得意なので、話を同業の目下の者に回すことにした。
それで選ばれたのが、駆け出しの探偵、榛原(はいばら)亜麻郎太である。
流支万岩のようなクールな二枚目ではないが、明るい好青年であった。彼はカンツ大佐の威光で探偵として自立し、新戸町の片隅に事務所までかまえていた。カンツ大佐は彼の事務所に電話して、無理やりこの仕事を押し付けたのである。
「……というわけだ。辺那八津子という女子高生が通っている女学園に体育教師・二百山カンツとして潜入し、彼女の気をひけ」
カンツ大佐は部下に命令するようかのようにこのことを亜麻郎太に伝えると、一方的に電話を断ち切ってしまった。
なんだか分からない仕事内容であったが、女学園に堂々と潜入できるという話は悪くない。
「恋縫という幹部がお前の活動をバックアップする。まあ、うまくやることだ。成功したら、お前をピンフにでも推薦してやる」
大佐は亜麻郎太にはまだ理解できないことを言うと、適当に話を切り上げてしまった。大佐はもともと調査専門であり、実行部隊のことに係わる気はなかったのである。
幹部が変な作戦に金を使い過ぎるせいか、彼の調査ために供出される資金はごくわずかであり、しばしば活動に支障をきたしていた。そのうえこんな色恋沙汰に付き合わされてはたまったものではない。訳分からない作戦に付き合わせるには、亜麻郎太のような駆け出しは絶好の捨て駒であり、適任であるといえた。
しかし捨て駒にされたその亜麻郎太といえば、聖イーピン女学園の体育教師として臨時に雇われるという話に、顔がニヤつくのをおさえることができないのだった。。。
* * *
授業開始のベルが鳴って、八津子たちの前に恋縫が現れた。彼女らには、つい最近転任してきた女教師、愛宝(あいほう)先生である。
「今日の体育は校外実習です。というわけで特別に素晴らしい先生をコーチとして呼んであります。さあ。二百山コーチ、いらっしゃい」
と紹介して、恋縫は山完都を呼び出した。しかし姿を現してきたのは、ジャージー姿の榛原亜麻郎太である。
《カンツ!》
突然、恋縫の顔がアップになり、またあのオフロードの甘くせつないメロディーがバンバンと流れだしてきた。まだあのトレンディー大作戦は続けられていたのだ。
突然のミュージックテーマに、おろおろと周囲を見回すだけのその場の面々である。亜麻郎太も自分が登場するときにBGMが流れるなどとは聞いておらず、おろおろと周囲を見回すだけであった。
「カンツ!」
と恋縫が元気よく声を出して、亜麻郎太のほうへ駆けだしだした。
彼女は手を振りながら亜麻郎太の元へ駆け寄っていき、いきなりその顔面に蹴りを入れる。
「カンツ大佐じゃないじゃない!」
恋縫は問答無用に言い捨てる。
「だ、代理だ。カンツ大佐に頼まれて来たんだ」
亜麻郎太は鼻を押さえながら、必死に弁明した。
「あら、そうなの」
「わたしを襲わないでね」
恋縫は冷たく言い捨てた。
『こんな奴、誰も襲えるものか!』と鼻を押さえながら思う亜麻郎太であった。
恋縫はカンツ大佐が裏切ったことに腹を立てて、思わず亜麻郎太の顔にケリを入れてしまったが、彼を二百山カンツとして紹介してしまったからにはしょうがない。山完都にはあとでおしおき攻撃を浴びせておくとして、亜麻郎太を二百山コーチにして作戦を続行することにした。
亜麻郎太は恋縫について女生徒たちの前に立つと、ターゲットの辺那八津子を物色した。ショートカット二段のきれいな女の子という話であったが、見れば似た顔がずらりと並んでいてよく分からない。
恋縫は二百山コーチを紹介すると、さっそく野外授業の説明に入った。
「今日は新戸町セントラルパークへ行って校外実習を行います。詳しくは二百山コーチから」
そう言われて亜麻郎太は、あらかじめ女生徒たちに読みわたすよう指示されていた文書を取り出して読み上げた。
「命令書。(…?)
新戸町セントラルパークの敵陣地において若ハゲによる活動が活発化した。ここにおけるハゲ薬をめぐる戦いは連日続けられており、既に若ハゲ問題は女子高生にとっても看過できない、憂慮すべき問題となっている。
貴殿らも新戸町セントラルパークに出動して敵陣地を占拠し、ハゲに関する情報を入手せよ。以上。(…?)」
亜麻郎太はその内容などはまったく理解せず、言われた通りにそれを読み上げていた。詳しいことを教えられていない亜麻郎太には、それが何を意味するのか、まったく分からなかった。。。
* * *
遠くから、砲弾のうなる音がとどろいてきた。
☆!ちゅどーん!☆!ちゅどーん!☆!ちゅど♂ん!☆
爆弾が前方の丘にある敵陣地を激しく叩きのめす。
「突撃っ!!」
ハゲオヤジが怒号した。
すると塹壕の中から、わらわらとサラリーマンたちが這い出してきて、前面の丘を目指して猛然と突撃を開始しだした。カバンとカサを武器にしての総攻撃である。しかし皆、頭の毛が薄い!
「突撃!」
恋縫も、八津子ら女子生徒たちに命令する。
命令されて仕方なく、迷彩ヘルメットに迷彩ズボンをはいた女子生徒たちも塹壕からわらわらと抜け出してきた。しかしジャージー姿のままの榛原亜麻郎太はなかなか塹壕から這い出そうとはしない。女子高生がいきなり戦争を始めてしまうという不条理さについていけなかったのであるが、一緒にいる女子高生たちの中にそれを不自然だと思うものは誰一人いなかったりしていた。
「おい、二百山コーチ! アンタが先頭に立って突撃するんでしょ!」
恋縫もそれが当然だというように亜麻郎太の首根っこをつかまえるや、彼を容赦なく塹壕の外に放り捨てる。
「話が違う!」
絶叫する榛原亜麻郎太。女子高生のブルマー姿を拝みながらの楽しいエクササイズ!、の話が(←勝手な妄想)、みんなに迷彩ズボンをはかれてしまった。自分の下心を読まれてしまったのか、と嘆く亜麻郎太の顔はくやしくてたまらない。
しかし亜麻郎太が突撃しないのを見て、恋縫は腰の拳銃を抜き取るや、容赦なくそれを突きつけた。
「突撃しないと銃殺しちゃうぞ!」
恋縫は亜麻郎太に銃口を突き付けて脅迫した。従わないと本当に殺すつもりなのか、恋縫はそばに据えられていた重機関銃の引き金を引くや、容赦なく亜麻郎太に向けてブチ撃ちだした。
「ぎゃんっ!」
亜麻郎太は辺那八津子のあこがれの人にならねばならないという仕事をあわてて思い出すことにし、丘の頂上へ逃げるように駆け出していく。
ところで、その辺那八津子といえば、同級生たちとともに丘の頂上への前進を続ける部隊の後ろのほうにいた。最前列の部隊は敵の猛烈な銃撃を浴びながら丘を駆け上がっていたが、八津子たちの戦列にはまだ歩いて行進してられるほどの余裕があった。
ハゲ薬をめぐる戦いなどどうでもよかったのだが、成り行き上、これに付き合っていた。しかし武器を手渡されていない。愛宝先生は武器の代わりに竹ボウキを手渡してきた。これで戦場を掃除しろとでもいうのか。八津子は持ってきていた双眼鏡を手にすると、丘の頂上付近を突撃している攻撃軍のほうを見渡してみる。
(つづく)
双眼鏡で覗くと、丘の上では激戦が続いているのが見えた。
突撃するサラリーマンの戦列は大地をふるわすほどの勢いがあったが、迎え撃つ敵も万全の態勢を整えていた。彼らはトーチカで要塞化された陣地から、容赦のない機関銃と爆弾の雨あられを浴びせつけてきたのである。
突撃してくるサラリーマンの戦列が次々となぎ倒され、さらに爆弾がそれを吹き飛ばした。あちこちで彼らのカツラが宙を舞う。たちまちのうちに丘の斜面は彼らサラリーマンたちの無残な姿で埋め尽くされてしまった。
しかしハゲに悩むサラリーマンたちはそれくらいではひるまなかった。彼らは先に逝ってしまった同輩たちの屍を乗り越えて突撃を続行し、さらにその一歩先へ進んで敵の機銃弾になぎ倒されていった。その様は、死んでも死んでも生き返るエイリアンのようである。
しかしあっという間にその突撃軍は壊滅し、最後列で行進していた八津子たち女子高生が最前列になってしまった。しかし機関銃弾は彼女らにも容赦なく浴びせつけられる。
攻撃を受けて、たちまち女子高生たちは悲鳴を上げながら散り散りに逃げ出した。八津子もあわてて近くの遮蔽物に逃げ込んで身を隠す。八津子の周りで爆弾が次々と炸裂し、あちこちから同級生たちの悲鳴が上がった。もはや攻撃どころではない。
これで誰の命令だかよく分からない攻撃軍の突撃は、完全に失敗に終わってしまった。戦場に静寂がもどり、丘の斜面では無残なサラリーマンたちの姿がわずかにうごめくのみとなった。
戦場からは誰が歌うのか、哀愁のこもったメロディーが流れだす。
√ 教えて~ くだ~さい。この世で ハゲが 治せるのなぁらば…♪
すべての~ オヤジに~ ハゲ薬 与えてほしい~♯
ア○○カ 効きまーすか?
サ××スは どぉーですか?
僕の大切な 毛がまた抜けまーした♪♪
教えて~ ください……♭
「う~、これは『防人○歌』かもしれない」
八津子は爆弾が掘った穴に隠れながら、そう思った(目本音楽著作権協会審査No.203 ウソ)。八津子はくだらない戦いに巻き込まれたと思いつつも、じっと戦場から脱出する機会をうかがった。しかし下手に顔を出せば敵に撃たれるだけである。
そんな八津子の横を、突然ジャージー姿の男が駆け抜けた。二百山コーチこと、榛原亜麻郎太である。彼は半泣きで、なにかから逃げるように敵陣地へ突進している。
「おい。危ないぞ!」
と八津子は声をかけたが、彼の耳には届かなかった。亜麻郎太は訳も分からず敵陣地へ突撃して行っている。
「――前方からジャージー姿の男が突撃してきます!」
と兵士に言われて、カンツ大佐は双眼鏡でのぞいてみた。
カンツ大佐は今、茶色の軍服に朱の階級章という独裁国家にありがちな軍服を着て、丘の上の敵陣地に入っていた。彼はその日、新戸町で行われる軍事演習にベトコンOBとして参加していたのである。このベトコンとは、もちろんベトナム・コンプレックスのことである。
彼が双眼鏡で見ると、連なる死体の合間からジャージー姿の優男がこちらへ向けて駆け込んできている。
「どこかの学校の先生だな…」
彼は目視した感想を述べた。それを聞いて、
「撃ちます」
と兵士は言って機関銃の引き金をひいた。カンツ大佐はそれも当然だと思った。
彼は双眼鏡でその射撃をしばらく見守っていたが、途中であわてて射撃をやめさせた。それが亜麻郎太であることに気付いたからである。それで亜麻郎太に襲いかかりつつあった弾幕は間一髪のところで止まることになった。
しかし亜麻郎太は後ろからも撃たれ続けていたため、敵弾に気付くことはなく、とうとう敵陣地まで到達してしまった。今回の攻撃軍の誰にもできなかった快挙である。しかしそれでも彼は走り続けていた。後ろから恋縫に撃たれ続けていて、止まることが出来なかったのである。
敵兵士たちは誰もが走り抜ける亜麻郎太を見過ごしていた。そのまま丘の頂上まで上り詰めてしまいそうな悲愴さであったが、カンツ大佐が急いでトーチカから抜け出し、体ごとぶつかって彼の突撃を押しとどめた。
「お前もハゲに苦しんでいたのか?」
カンツ大佐が亜麻郎太に怒鳴って問いただした。彼は、恋縫がここを作戦の舞台にするとは聞いていない。
「――あれ?」
目の前に軍服姿のカンツ大佐が突然現れて、亜麻郎太は気の抜けた驚き方をした。亜麻郎太も、カンツ大佐が敵陣地にいるという話を聞いていない。
恋縫の撃つ機関銃弾が追い付いてきて、カンツ大佐と亜麻郎太の間を駆け抜けていった。銃撃を浴びて、カンツ大佐はあわてて亜麻郎太をかばうように身を伏せる。
カンツ大佐が銃撃されたのに怒り、陣地にこもる機関銃列が一斉に火を吹いた。
弾幕は恋縫の機銃座に集中し、ビビった恋縫は任務も忘れて戦場から一目散に逃げ出してしまう。
「あー! 愛宝センセーが逃げてるぅ!」
突然、逃げ遅れた女子高生の一人が立ち上がり、生徒を見捨てて逃げ出している恋縫を指さした。
八津子は女子高生のチクリを聞いて、後ろを振り返る。確かに愛宝先生が戦場から逃げ出している。恋縫の逃げ足は素早く、たちまち敵陣地の射程距離から離れていってしまった。
「早い!」
八津子は妙な悪態を付き方をした。
愛宝先生の脱走に、女子高生たちの間からブーイングが上がる。が、今はそんな場合でもない。目の前の敵トーチカをなんとかしないと、ここから逃げ出すのも危険である。
「逃げれないなら、やるしかないか……」
八津子は戦う覚悟を決めた。彼女は近くで倒れていたサラリーマンから携帯電話を拝借すると、暗刻指令(あんこー しれい)に電話し、ボディコン戦隊の出動を要請した。敵は女子高生も襲っているので、ボディコン戦隊が出動する大義名分はいくらでも立つ。
自分一人がボディコン戦士に変身して戦うという手もあったが、そんなコッ恥ずかしいことはイヤなので、素直に仲間がくるのを待つことにした。彼女は同級生たちに穴に隠れているように指示しつつ、恋縫が捨てた機銃座から機関銃を取り外して自分の武器とする。
一方、丘の上ではカンツ大佐が亜麻郎太を説き伏せていた。
「……だから心配するな。トーチカをひとつ取らせてやる。言われたとおりに指示すれば、いかにも優れた指揮官のように見える。頑張ってこい!」
カンツ大佐はそう言うと、亜麻郎太に機関銃と手榴弾を押し付けて陣地から追い出した。
いきなり武器を手渡されても、戦争を知らない亜麻郎太には困る話である。しかしカンツ大佐はそんな亜麻郎太にはお構いなく、彼に当らないように陣地から容赦なく機関銃を撃たせた。戦場のリアリティーを増すためである。これでまた亜麻郎太は戦場を駆け抜けなければならなくなってしまった。
《女子高生とブルマと楽しいエクササイズっ!!》
亜麻郎太は今では夢と消えた妄想を連呼しながら、また一目散に丘を駆け下りねばならなかった。
カンツ大佐はさらに景気づけとばかりに、亜麻郎太に爆裂手榴弾を投げ付ける。
《ぶぎゃんっ!!》
それは亜麻郎太の足元で見事に爆裂し、亜麻郎太を天高く吹き飛ばした。亜麻郎太は爆風に気も失いながら吹き飛ばされ、うまく八津子が隠れていた穴へと落ちていった。カンツ大佐の見事な牽制攻撃である。
(つづく)
「…………」
亜麻郎太は妙に柔らかい感触に、ベッドの上で寝ているような暖かい感触を覚えていた。爆弾を浴びると夢見心地になれるのかな、なんて思いながら彼は正気に戻っていく。
周囲をまさぐるように確認を取りながら顔を上げると、その鼻の先には八津子の顔があった。
さっき恋縫に教えてもらって見たときも美少女に見えたが、間近に見るともっと美少女に見えた。透き通った肌にはシミひとつなく、そのボーイッシュな顔立ちはほのかに赤らんでいる。
亜麻郎太に見つめられて八津子は思わず視線をそらしてしまい、そして自分の手が八津子の胸の上にあることに気づいた。
亜麻郎太は知らず知らずのうちに八津子の胸を触ってしまったことに気付き、あわてて後ろにしりぞいた(内心、超ラッキー!)。
八津子は突然ミサイルのように飛び込んできた男にいきなり胸を触られて、殺人ショットガンを取り出すのも忘れて顔を紅潮させていた。こんな体験は初めてで、八津子にはどうしたらいいか分からないでいた。間近でみた亜麻郎太の顔は、思ってたよりもグッド・ルッキングである。
この男をどうしようかなやんだが、ショットガンを取り出す前に亜麻郎太のほうが手を引いてしまったのでそれで終わった。
「ごめん(ラッキー)」
と亜麻郎太は謝った。八津子はなんの反応も取れなかった。顔を赤らませただけである。彼女はしばらく、亜麻郎太と見つめ合っていた。わざとではないようだから、それで許してやることにした。
亜麻郎太は自分がしてしまったことの照れ隠しに、すぐさま作戦に入ってしまう。
「敵陣地から武器を奪ってきた」
そう言って、亜麻郎太はカンツ大佐からもらっていた短機関銃と手榴弾を取り出すと、手榴弾を八津子に手渡した。
「手前のトーチカを潰すのか?」
八津子は亜麻郎太にきいた。
「ああ、そう」
と、亜麻郎太。
手前のトーチカはカンツ大佐が取らせてくれると言っていた陣地である。亜麻郎太はここでカッコよく闘ってみせ、八津子のあこがれる存在にならなければならないのだ。
「よし、やるぞ」
亜麻郎太はそう言うと、手にした手榴弾の安全ピンを抜いた。八津子も重機関銃を手前に持ち出して、突撃の準備を整えている。
「手榴弾で制圧して、一気に手前のトーチカを取るぞ!」
亜麻郎太はいかにも優れた指揮官であるところを見せるべく、あらかじめカンツ大佐から教えられていた言葉を自分流にアレンジして言い放った。
八津子には優れた指揮官にはいまいち見えなかったが、命令は理解した。八津子はそれに黙ってうなずく。
八津子は隠れていた穴から上体を持ち出すと、手榴弾をトーチカへ向けてそれを投げ込む。亜麻郎太も遅れじとばかりに手榴弾を投げつけた。
トーチカで手榴弾が炸裂する。
「いくぞ!」
と亜麻郎太が号令する前に、八津子がそう怒号して穴から抜け出した。八津子は重機関銃を腰だめに乱射しながら、トーチカへ向かって突撃を開始する。その行動は素早かった。
八津子より先んじてカッコいいところを見せなければならない亜麻郎太も、あわてて後ろを追うように突撃を開始した。と思ったら何かが足に引っ掛かり、亜麻郎太は大きく前につんのめってしまった。彼が持っていた短機関銃の携行スリングの紐が、彼の出だしの一歩にからんだのである。
《ズルッ!!》
亜麻郎太は大コケした。
つんのめった亜麻郎太は大きく前に倒れ込み、手を大きく前に投げ出さずにはいられなかった。その先には八津子のおしりがあった。
彼は八津子のその下半身に抱きつかずにはいられなくなってしまい、むにゅうとその顔が八津子のおしりに圧しあたった。重みで八津子の迷彩ズボンのサスペンダーが弾け飛び、ズボンが下までずり下がる。
「ぁいやっ!」
八津子が思わず悲鳴を上げ、あわてて自分のお尻を押さえた。彼女のブルマーが戦場にあらわとなる。
亜麻郎太の顔にお尻を押され、しかし迷彩ズボンを足首まで下ろされて足首を固定されてしまった彼女は、亜麻郎太よろしくバランスを崩して前へ大コケしてしまった。
《ギロンッ!!》
顔面から地面に倒れた八津子は、鼻を押さえながら後ろを振り返り、自分の足にしがみついている亜麻郎太を睨みつけた。亜麻郎太は短機関銃のスリングにからまって足が複雑になっている。
八津子に睨まれた亜麻郎太はあわてて弁明する。
「わざとじゃないんだ。ヒモが足に引っ掛かった。ほら!」
彼はそう言いながら、足を宙でじたばたさせて絡まった機関銃をほどこうとした。しかし八津子は疑いのまなざしをゆるめない。
いきなりミサイルのように飛び込んできたときから、どこかおかしかったが、今日の日のために特別にやってきた二百山コーチという話のわりには、見た目がただのマヌケな男である。ただのセクハラ男なのかと疑念も沸いてくるが、わざとやってるようにもみえなかった。
八津子はとりあえずマヌケな二百山コーチは無視し、その場で重機関銃を構え直した。が、敵からの反撃はなかった。
亜麻郎太は冷たい八津子の態度にビビリながらも、教師としての体面を保とうとして、さっそうと立ち上がる。
「トーチカを取るぞっ!」
と彼は叫ぶと、突撃を再開する。手前のトーチカに敵はいないという話なので安心である。亜麻郎太は八津子から逃げるように駆け出すと、さっさとトーチカの中へ入って占拠した。
八津子は亜麻郎太を信用しなくなっていたが、周囲を警戒しながら亜麻郎太を後を追うことにした。
トーチカの中に入った亜麻郎太を待ち構えていたのはカンツ大佐であった。
「よくやった」
戦場で女子高生のブルマを拝めたカンツ大佐はニコニコ顔である。
「次はブルマも脱がせ」
カンツ大佐は任務も忘れて、無責任なことを言った。
「だがこれ以上お前らに陣地を取らすわけにもいかんので、出ていってくれ。これから我々は反撃に移るから、カッコよく闘いながら後退しろ。無事に逃がしてやるから心配はするな。女子高生を全員連れて逃げるといい。株が上がるぞ。わかったな?」
カンツ大佐はそう手短に告げると、足早に抜け道を伝ってトーチカから離れていった。
入れ替わりに、トーチカの機銃口から八津子が顔をのぞかせてくる。
「敵は?」
とトーチカの中を覗き込んで八津子が聞く。
「逃げ出した」
亜麻郎太は適当に答えてすませた。
(つづく)
場所が変わって新戸町カサデラスの地下12階。
地下12階の会議室に、八津子をのぞくボディコン戦隊の4人が寄りつどっている。
薄暗い部屋の壁面モニターが発光して、そこに暗刻指令の上半身が映しだされた。彼は命令を下す。
「辺那八津子からの連絡があった。新戸町CCのサファリランドにおいて、ハゲ対ハゲ薬軍による戦争に主婦や女子高生が巻き込まれているという情報が入った。現に辺那八津子がその戦いに巻き込まれている……」
「ヤッコちゃん、ゲーハーだったっけ?」
と、八田弥代が口を挟んだ。
「さあ。デーハーなことしてるけど…」
瑪茄社奈伊が答えた。
暗刻司令は言う。
「辺那八津子とその同級生らは、授業科目という名目によってなし崩し的に戦闘への参加を強要されており、これは攻撃軍による攻撃力の確保が半強制的な徴兵によって行われていることの裏付けでもある。
しかしこれは戦争の放棄をうたう日本国への重大な挑戦であり、同時に人道的な見地からもこれを看過することはできない。
そこで諸君らには新戸町サファリランドに向かい、辺那八津子たちを救出して戦闘の強要を裏付ける証言を確保してもらいたい。すぐそこなんで、すぐに向かってくれ。以上だ」
暗刻指令はそう言うと、例によって一方的に連絡を絶った。
「なんだか話がデカくない?」
と、門幻菜乃が感想をもらした。
「日本で戦争しても大丈夫なの?」
奈伊がきいた。この話にリアリティーを求めても無駄である。
「さっき、通りで爆弾が炸裂してたの、あれ戦争だったんだ」
弥代がとぼけたことを言う。
志津麗奈は命令内容をかみ締めながら静かに立ち上がると、皆に語りかける。
「戦争はともかく、何も知らない少女たちに戦わせているのは許せません。すぐにヤッコちゃんたちを助けに参りましょう!」
皆に異論はなかった。
歩いて5分のところで戦争していたので、ボディコン戦隊の到着はむちゃくちゃ早かった。
《新戸町サファリランド; 新戸町CCパークの南に位置する野生動物放し飼い地帯。都会のジャングルに本物のジャングルを、という訳分からない都市緑化計画の名目のもとにサファリ化された公園。入園無料。ジャングルの動物からサバンナの動物まで、生の生態を観察できるとってもアニマルな場所。(新戸町カサデラス調査隊)》
「――大佐! 後方からボディコン戦隊!!」
突然のボディコン戦隊に、カンツ大佐が驚いて驚いて後ろに振り返った。知らぬ間に、丘の頂上には戦場にはまったく不釣り合いのボディコン服を着た戦士たちが颯爽と立ちはだかっていた。既にボディコン戦隊の面々は変身をすませている。
レイナは均整のとれた豊かな胸の谷間からクレジットカードを取り出すと、それに軽く口づけをした。そして、決めゼリフをささやくように、だが敢然として語りかける。
「街の色を変える、優雅にして大胆なカトレアこと、ワインレッド=レイナ!」
ナイはパチンコ玉を指にはさみ、それを頬寄せていた。彼女はパチンコ玉を遊びながら、甘く語りかける。
「甘くせつない青春は、露もしたたる紫陽花(あじさい)の薫り。青くほのかに染まった紫陽花こと、アクアマリン=ナイ!」
ナノはムチを手にして、誰を手なずけるか思案中である……。
「踏まれても踏まれても立ち直る蒲公英(たんぽぽ)はひたむきな乙女心の象徴。ボディコン戦隊の紅一物こと、プリムローズ=ナノ!(やっと決めゼリフが言えたわ!)」
イヤヨは髪の毛をいじって、いちずに枝毛を探している……。
「ヒナギクの花輪は無邪気な乙女の願い。騎士たちへの祈り。花と花と編んで、――戦争よっ!!騎士に捧げる恋の花こと、ショッキングピンク=イヤヨ!(ワタシも言えたけど、ちょっとヘン!)」
彼女のセリフが終わると同時に、4人はなんだか分からない動きをして、決めポーズ4人バージョンを周囲に見せつけてみせた。そしてそれになんの意味があるのか定かではないのであるが、周囲をフラッシュまでさせてそれを見せつけてみせた。ボディコン戦隊の登場である。
ボディコン戦士たちはそれぞれの武器を取り出すと、すぐさま攻撃に移った。クレジットカードやパチンコ玉、それにハズレ馬券の束という、特殊兵器が戦場に乱舞する。
背後からの特殊任務戦隊の攻撃に、敵兵たちはにわかに浮足立ってきた。彼らはハゲオヤジを相手にしていたが、ボディコン娘までも敵に回してはいない。
『おい。ボディコン戦隊を敵にしたら一生女に縁がなくなるぞ!』
『オレ、ボディコン娘だけが心の救いなんだ!』
『悪いがこの戦い、ここで降りさせてもらうわ』
陣地で戦う兵士たちは傭兵の集まりであった。傭兵だけに士気が崩れるのも早い。あちこちで兵士が陣地から抜け出していき、いずこかへ逃げ出しだした。
「逃げる人を襲ってはだめ!」
と、レイナは皆に華麗なる指示を与える。
これで敵兵は脱走しやすくなり、敵の士気崩壊にますます拍車がかかった。それでも抵抗する敵兵には、容赦のない攻撃が加えられた。
(つづく)
ボディコン戦隊の登場に、カンツ大佐の周りでも兵士たちは次々と逃げ出し始めてしまっていた。兵士たちは戦場向きの兵器で武装していたため、ボディコン戦隊の市民的な攻撃の前にはひとたまりもなかったのである!
あともう少しで眼下の攻撃軍を全滅させることもできたはずなのだが、それが目的という訳でもなかった。とりあえずは亜麻郎太をカッコ良くを戦わせることが第一目標である。
しかしその亜麻郎太といえば、さっきから爆弾に吹き飛ばされてばかりで、全然お話しになってなかった。
八津子一人が奮闘している状態である。
《ふぎゃんっっ!!》
その亜麻郎太が、また爆弾に吹き飛ばされてしまった。
敵の激しい反撃にあって、亜麻郎太たちは占領した陣地を捨てて逃げ出さずにはいられなかった。八津子も激しい敵の攻撃に右も左も分からなくなってしまい、とにかく目に飛び込んでくるものは撃ち捨てていた。
《ぎゃんっっっ!!》
爆弾に吹き飛ばされた亜麻郎太が、八津子の重機関銃に撃ち抜かれながら彼女の胸に飛び込んでくる。
「なんでこっちに飛び込んでくるんだ!」
襲いかかってくる亜麻郎太を避けながら、八津子が絶叫する。
「やはり、セクハラ男かっ!」
「ち、違うんだ!」
亜麻郎太は血をしたらせながら必死に弁明しようとした。なにか寄り掛かるものが欲しくて亜麻郎太は八津子のほうに歩み寄っていっていたが、その様はどうみてもゾンビーである。
『あー、ヤッコちゃん。また男撃ってるー』
不意に戦場から、イヤヨの声がする。
八津子が周囲を見回すと、まだ硝煙の残る丘から、4人のボディコン戦士たちがさっそうと立ちはだかっていた。
いつのまにか、八津子の周囲からは敵がいなくなっていた。カンツ大佐はもはやこれまでと判断して、残りの兵士たちと共に退却してしまっていたのである。
『峰撃ちだからって、よーしゃなく撃ってると、一生ボーイフレンドできないよ』
ナイが声をかけてくる。
《お前に言われたくないよ!》と八津子は思っていたが、
「あ、ごめん。これ峰撃ちじゃないんだ……」
という言葉だけを口にした。
「そ、そんな……」
その言葉に、亜麻郎太は血をしたたらせながら絶望した。
そう亜麻郎太は嘆息しつつ、そのまま昇天してしまった。(でも、これは物語だから死なないよ)
『――八津子ちゃんの胸は柔らかかったなぁ…』
これは亜麻郎太の辞世の句である。
《やはりエロいっっ!!》(.by 皆の声)
* * *
「――これまでだな」
戦場で昇天していく亜麻郎太をモニターごしに見やりながら、国士武僧が言い放った。彼の目の前には崇杏子v2.9.1が立っている。
「みゃだ、これで終えったという訳ではありふぁせん」
この前のバージョンアップにフラフラしながらも、杏子v2.9.1は作戦失敗を認めようとはしなかった。しかし国士武僧は、恋縫が逃げ出した時点でこの作戦の失敗を確信していた。
「すでに、第三の変の嵐は始まっとるだぎゃあケケケ」
杏子は新たな作戦の発動を告げた。
すると、手前のモニター画面が切り返され、そこにまた戦場には不釣り合いな満州服に赤星の毛皮帽という姿の小男が現れてきた。MJ-12の改造人間担当、蒋参元(しょう さんげん)である。
“こんな作戦に加担しおって……”
国士武僧は非情に言い切った。ちなみに蒋参元の本名は綿反品鑼一(めんたんぴん どらいち)。謎の中国人ではない。
「さあ、学園に帰りましょう!」
と、レイナが皆に告げた。
『はあーい』
と、八津子の同級生たちは声をそろえてそれに従った。彼女たちの帰りは遠足気分である。
だがそんなピクニック気分で浮かれようとしている彼女たちには、既に第三の愛の嵐がひそかに忍び寄りつつあった。ボディコン戦隊が華麗なるエンディングに入るには、まだ少し早すぎたのである。
しかしボディコン戦士たちは女子高生たちに取り囲まれ、背後に忍び寄る蒋参元の姿に気付けないでいた。でもホントに背が小さすぎて、彼女たちの目に参元は入らなかったりもしていた。
そんな中、八津子の同級生たちは戦闘から解き放たれた解放感に包まれながらも、無邪気にボディコン戦隊につめ寄ると、
『どーしたら、そんなに体型が良くなれるんですか?』
『服はどこで買ってるんですか?』
『ボディコン服をカッコ良く着こなすには?』
と、それぞれにボディコン戦士たちを質問攻めにして離れることがなかった。レイナたちはその対応に大わらわとなってしまい、彼女らのかたわらで必死に手話をしている小男に気付くこともない。
“手話で愛を語る男”という設定の蒋参元は、この日のために徹夜で必死に勉強してきていたのであるが、誰もその努力に気づくことはなかったりしていた。それでもなんとかみんなに気づいてもらおうと、蒋参元はボディコン戦隊の目に見える位置にまで移動して、必死に手話をしてみせたが、女子高生たちへの対応に忙しいボディコン戦隊はとうとうそれに気づくこともなかった。
彼の作戦はそれで終わってしまった。。。
このままでは話がオチないので、すてきなBGMを流して終わることにした。これでつまらないストーリーも、端目にはすてきなトレンディドラマに見えようというものである。
むなしい努力をボディコン戦隊の前で続けている蒋参元のバックに、すべてがうまくいってるようなステキなミュージックが流れだした。
それはドリモグ(ドリリング・モグラ・グループ)の名曲『ROB!ROB! ROB!』なのかもしれない(目本音楽著作権協会審査No.204)。
とにかく、参元のむなしい努力の作戦は、こうして美しく昇華されたのであった……。.fin
「――やはり、展開が早いほうがいいな」
と、国士武僧が感想を述べた。部下の苦労などは気にもとめていない。どうでもいいから早いとこ、この作戦から解放されたい気分であったのである。
「Act.3ほどの早い展開がほしいところだな」
と、国士武僧は意見した。ちなみにストーリーの長さ、約5倍(当社比)。
「しかし、この程度では終わらないのです」
バグを修正して立ち直った杏子v2.9.2が言い切った。
「ここまでトレンディで押してきた余勢をかって、さらにダメ押しのトレンディ作戦を実行します」
『ムダ押しじゃないか?』
国士武僧はまた意見したが、それは杏子を逆上させただけだった。
「奴らに休むヒマを与えてはなりません!」
杏子はヒステリックになって主張する。
「新たな作戦はこちらで用意しました。今度は刑事モノです。そろそろ一発刑事モノをかましてやらねばなりません。題して―――
踊る太陽西部警察にほえろ純情系時代・刑事編
作戦内容は、考えるのが面倒なので、すべてどこかにあるストーリーをパクリます。
――ぁああっっ!!!」
「著作権をクリアしているのか?」
と国士武僧が聞き返す前に、杏子の口から断末魔の悲鳴が上がった。
崇杏子はまたレベルが上がり、バージョンアップしてしまった。
しかし例によってバグが多いため、ブレーンを欠いた歌う愛のトレンディ大作戦もそれで中止となってしまった。国士武僧はほっとした。
(ACT.5 エンド)
( Translation )
The Bodycon Gal-Force
ACT. 5 Trendy Musical with Love
Here was the B13 floor of Casa de New Door City (新戸町カサデラス).
As usual, at that day, MJ-12 ( Mahjong Stick Twelve ), the evil secret society of sexual harassment, continued to discuss how to destroy the Bodycon Gal-force sleeplessly.
There were the usual members —— Kokushi-Musō (国士武僧), Sū Anko (崇杏子), and Shō Sangen (蒋参元), in addition, there were a young male-female pair also participated in the meeting. Both of them were excellent cyborgs who were selected as members of MJ-12 at a young age.
The woman was Renhō (恋縫), who looked a career woman with a wet short haircut. It was a secret name but her real name was Otoko Hideri (音鼓ひでり: no boyfriend ). She looked strong-willed, but she really was strong-willed.
The man’s name was Nagashiman Gan (流支万岩).
It was also a secret name, but his real name was Naon Getto (娜苑月人: hunt a girl ). He looked a calm executive in his 30s. In the real world, he was a successful actor.
Although the two were slightly different in background, they were both famous on TV as trendy entertainers. That was why they asked for help in this operation.
Sū Anko presented her operation in front of Kokushi-Musō.
“……Until now, when we have faced at the strong enemy the Bodycon Gal-force, we’ve challenged them with force.
But to see the defeat of Tenbō (テン坊) and Chibō (チー坊), the Bodycon Gal-force have shown their professional skills by taking a step back and running away to win against our brute force.”
“They’re still doing it even though still green.”
Renhō said.
“The only reason they can fight so calmly is because the Bodycon Gal-force are a highly trained organization.”
“Do you really think so?” Kokushi-Musō blurted out, but his words went unheard by Anko.
Anko continued her presentation.
“A good organization has a good chain of command. The first we should do is that we will destroy this chain.
If we can draw into this chain then destroy it or disrupt it, it becomes a great advantage to win.
However, the chain of command, as is a ‘magnificent world’, is so strong to destroy.”
“Their world is so spiritual that we cannot destroy it physically, mah,”
said Shō Sangen. He was a mad scientist of MJ-12.
“Yes, that’s right,”
Anko agreed it, with little surprising.
“A complete spiritual world is perfect. It is proven by China’s 4,000-year history, yah”
he adds. He said something out of his character.
“If there is a way to destroy the command based on that elusive spiritual world, it is that we are going to create a special spiritual world superior than theirs, then drive it out, and take it over!”
Kokushi-Musō listened to her story admiringly, but asked her back,
“Is there any other spiritual world that can break through such an unrivaled world?”
“I don’t know,” Anko said.
“But I can find the difference between their self-righteous world and ours. The Bodycon Gal-Force is not ‘trendy ( in style )’. They’re too self-centered to be fashioned!
I found there an opportunity to exploit the Bodycon Gal-Force. Fortunately, only one of them is blessed with a man. So I called two stars who are now trendy. Come on, Renhō and Nagashiman Gan”
Anko introduced them to Kokushi-Musō.
“What if, one day, the members of the Bodycon Gal-Force were suddenly caught up in a storm of trendy love? Even though they are women, they can’t help but forget all and get caught up with this love storm!”
“Here’s the plan.”
The time Anko said so, Renhō snapped her fingers.
Suddenly, the lights were turned off, the whole room was plunged into darkness. The stage assistants who dressed in black appeared in the darkness, started moving so hard, then left a diorama in front of Kokushi-Musō, and ran away. It was a panoramic diorama of New Door City, but it was not certain what it was for. The assistants made it with sleepless again!
Anko and Renhō had stood in front of them, a spotlight was put on them by the assistants. They were now, dressed in white lab coats and black glasses, as like researchers.
“To talk about ‘trendy’, it’s my turn.”
Renhō declared so, adjusting the wrong-suited glasses.
” Renhō, you too……”
Kokushi-Musō muttered regretfully.
“I will get the Bodycon Gal-Force cornered to an everlasting love storm,”
Renhō said. Anko continued.
“We have prepared the name of this operation. The operation name is ——
—Trendy Musical with Love —
‘Please tell me that you love me forever in the name of a marriage proposal for the 101st time,
even to the ends of the earth.’ (too long)
—That’s all.”
As she spoke, some BGM began to play. The melody, which evoked sweet, sorrowful feelings of love, was by the famous singing group “Off Road”.
“I forced the famous group “Off Road” to write this song especially. Whenever the camera will catch my face with zoom-in, this song starts playing suddenly and emotionally.”
Renhō declared it positively.
At this time, the reason why this song started playing suddenly was because someone somewhere had caught a close-up shot of Renhō. It’s not clear the method, but as soon as she entered the camera frame, the song started playing suddenly. There were a lot of assistants dressed in black at the around of her, they were always trying to catch her face. It was as like they were making a drama.
“It does not matter but, Anko. Does this operation name clear the copyright? I don’t care if you offend the original copyrights as like some author did it then update the version soon.” ( cf. I stole the concept of My Dear Future from Japanese TV a little before. )
Kokushi-Musō was a bit worried.
“It’s okay. We have nothing to do with copyrights (no good). In any case, it’s only a story this author would be punished (Stop it!).”
Anko declared so clearly.
Kokushi-Musō kept a distance from this operation. He decided to observe it.
Anko got into the point.
“Now, tell you our plan.
First, the setting is here, at the boutique “rosé argent” in New Door City.”
A large monitor on the wall showed the current state of this shop on the street. The boutique “rosé argent” was managed by Shitsu Reina (志津麗奈: what a rude ), the leader of Bodycon Gal-Force.
(to be continued)
The monitor showed a scene of a shop which signboard was stylish and named “rosé argent”. In this shop, a clerk was there —— Bakaja Nai (瑪茄社奈伊: you’re fool ). The chief of clerk was Mongen Nano (門幻菜乃: it’s my curfew ), but she didn’t seem to be at work today.
“First of all, I will create a love drama setting in this boutique, rosé argent. I have not yet specified the main character. The main characters will be the chief of clerk, Mongen Nano, and the clerks —— Bakaja Nai and Yada Iyayo (八田弥代: no, I can’t ), and a part-time worker, Henna Yatsuko (辺那八津子: you’re crazy ). I think it will be best to catch the manager, Shitsu Reina, into this story, but I will regard anyone whom I can catch into this story as a heroine.
For now, I choose Bakaja Nai. I think is the best target, as the main character.”
The monitor showed Bakaja Nai yawning boredly at the counter.
“The story starts from accidentally meeting Nagashima (Nagashiman Gan) with this heroine. She feels so lonely in a workplace because she is surrounded by women. She meets the cool, trendy and conservative young executive man, Nagashima.”
“Make them meet each other at any costs —— their shoulders hit each other on the street, a big mistake at work is for him, he repairs her on the street, they meet each other at a drinking party by chance, she think wrong for him whom had molested her on a train, in fact, they are both molesting fellows —— I don’t choose to get in touch.
Anyway, they both get to know each other, then Nagashima begins to visit her store. However, it occurs another drama. Nagashima was the former lover of Mongen Nano, who is the heroine’s boss. This dramatic reunion makes a delicate love triangle between them.”
“Her boss, Mongen Nano, wants to get back Nagashima’s love, but he cannot forget about the heroine. Things get complicated, and the heroine is cornered to quite a bad position. With friction between her boss and Nagashima, the heroine is unable to bear it and runs out of the store, going on a journey in search of new love.
Thus, one member of the Bodycon Gal-Force was gone, creating an unbearable rift in this group. Their chain of command will be in pieces for a long time. But this love storm will not stop there.
A new love creates a second heroine.
The heroine of the second love is set to be Henna Yatsuko. She is a boyish high school girl who knows nothing of men, and she would have no mean against this love storm. Thus this trendy drama is changed from being about office ladies to being about young girls.”
“Let me explain from here,”
Renhō declared, taking over from Anko.
Suddenly, the sweet and sorrowful Off-road’s music started playing in the background. Some assistant’s camera must have zoomed in on the face of Renhō. It looked like somebody would shout “Come on!”
But Renhō started explaining the story in a strangely girly voice (in the style of Minaguchi Yūko).
“The heroine is a bit military-ish high school girl with dreaming a lot. She goes around the battlefields for hitting a wonderful meet with Viet Cong. Her love is dedicated to San Kantsu (山完都). He is Colonel of this mission. But he is out of her league. She can’t even talk with him well.
To get his high impression, she goes attacking the Viet Cong camp, but she failed. She is severely scolded by the colonel.
Private Yada Iyayo only supports her. She encourages her brightly, but she is a troublesome who cannot distinguish between war and video games. The colonel is more attracted with Major Renhō, who is attached to the headquarters, than the heroine. The relationship with Renhō is growing up than hers…
One day, the Viet Cong attack with large numbers then her camp is thrown into chaos. The colonel’s unit is faced at a severe situation, and also the heroine is in chaos. But Major Renhō quickly reorganizes her unit, then rescues the colonel’s unit immediately. Renhō left her on the battlefield, because she cannot follow me. And then, we fall in love, get married, and have a happy ending. Oh, it’s wonderful…”
Renhō’s presentation finally ended in self-satisfied.
“—— Is there something wrong for the setting?”
Kokushi-Musō asked.
“No problem.”
Renhō declared clearly.
As something wrong for the setting is the story Bodycon Gal-Force itself is so, Kokushi-Musō did not argue it anymore. In addition, San Kantsu was a famous cyborg who had once belonged to a special force after returning from Vietnam War, so the character setting itself is not unreasonable.
“Anyway, the heroine and her friend are captured by the Viet Cong, and thus the Bodycon Gal-Force loses two important members again.”
Renhō added. Her story was ended, then Anko returns to explain the story.
“So now that the surviving members of the Bodycon Gal-Force, a third love storm would attack. What happens twice happens a third time. Our attack would not be ended here.
Next one is a story about love struggle with man and woman by handicapped.”
“The third heroine is set to Shitsu Reina. This time, the heroine is set to be a high society woman, so that sense, it is compatible with Mongen Nano. If she is not damaged by the first love storm, it is considered to make her this heroine. One day, Shō Sangen appears in front of her. Shizu Reina is an adult woman who is satisfied with her job but not with love. As usual, we won’t choose the way of contact. If someone has already succeeded in contacting the Bodycon Gal-Force, I think it’s okay to say that he is the friend. Shō Sangen, the ugly and short-legged man, falls in love with the heroine at first sight. As like it is the last chance, he makes a vigorous attack on her. The heroine is attracted to Shō Sangen, but he did not speak somehow.
Yes. He cannot speak…”
“The heroine, Shitsu Reina, keeps a distance from Sangen, but she is somehow attracted by his efforts. While she tries to understand what he is saying, she is gradually drawn into his mad otaku world, and by the 101st time, she is reborn as a cyborg unconsciously.
One by one, all the members of the Bodycon Gal-Force are caught up in the love storms, and those who can survive have already suffered serious love-scars, so they cannot fight with new cyborgs we have sent. Because the unit which has collapsed by internal struggle has no organized resistance. That’s all.”
Anko’s presentation was finished at last.
“You would be better to become writers.”
Kokushi-Musō commented.
“We will.”
Anko and Renhō thank him sincerely.
“All right,” said Kokushi-Musō.
As usual, they carried out an operation using a secret code name. In fact, they have their own “Magical Calendar” that they created themselves, and all of their events are governed by it.
“Let’s put this into action right away. Today is the 3rd day of the month Magical Chappy. Therefore, the operation name is Episode 3, “ What‘s the Daddy’s shop”. — Got it?”
“Sieg Zeon!”
Anko and the others responded with an anime-like salute.
(to be continued)
* * *
Nagashiman Gan, the main member of MJ-12, wandered around New Door City in order to get the mind of Bakaja Nai. His black Autumn suit looked stylish, and he was constantly checking his appearance by the building mirror.
Whether his tie is crooked, whether his back looks crooked, whether the hairstyle is messy, whether others think he is strange, etc. He is now playing the role of “Nagashima”, who was a calm handsome man in his early 30s.
He got sensitive to the passions of women passing by him, but he continued to search for Nai, the target.
She was in the downtown area of New Door City, wandering on the street without any particular purpose.
Catching his target, Nagashiman brushed his hair back slightly. The plan had begun. He approached to Nai calmly. In his hand, there was a box with a cake inside. His plan was to hit and drop this cake down, using it as an opportunity to know each other.
That day, Nai was just wandering around town. She never expected to have such a fateful encounter with him. Her eyes were wandering through the town, and suddenly, she noticed a signboard of pachinko parlor. She instinctively headed to this pachinko parlor.
Suddenly changed the direction, and Nagashiman passed by her, with saying “Ahh.”
With this, his plan to hit and drop a cake was completely failed. However, he was not a type of discouraged by such a thing. He continued stalking Nai until he could hit and drop.
He intended to succeed in contacting Nai in a day. He waited for Nai to come out of the pachinko parlor.
However, no matter how much time passed, there was no sign she was coming out. Nai could get a huge amount of money from one pachinko machine. Still, he continued waiting. Love even required patience. Just doing that, he wasted the precious time for a half day.
It was already late at night, Nai came out of this parlor, after reached to the limitation of win. She held in arms with a mount of prizes.
His eyes lit up. The chance had come. She couldn’t see ahead well. He walked quickly towards her. They were almost crashed, but the last moment, Nai suddenly changed the direction for something remembered. She forgot to exchange the money. She turned towards the exchange office, and so on, he was just passing through the beside of Nai again.
“She can!”
He was amazed at how she could dodge the attack.
He crashed into the window of pachinko parlor, however, Nai didn’t notice that, after exchanging the money, she went home. It was so late today.
Nagashiman accidentally crushed the cake in his hand, but he is not a type of discouraged by such a thing. He threw the crushed cake off, then pursued Nai, who was hurrying home. Love always forced such sacrifice.
He tried to get in touch with Nai somehow, but the way looked like a salaryman who had gone to a wrong way like molesting. Actually, he could do it, but he didn’t think so because he thought it would hinder his plan. He would lose the fame as a handsome man.
While he was challenging, Nai arrived at home. He was only standing there in shock.
The wonderful encounter with her was put on hold today.
However, Nagashiman did not give up and walked around Nai’s house many times, with taking out binoculars to look at Nai’s room. He had to make the natural relationship somehow. Love required prior investigation. Pretending a detective, he investigated this area around boldly.
As the result, he found out that Nai had a bicycle. He was a bad man. He considered making this bike easy to puncture. He thought, when she was in trouble with puncture, he appeared suddenly, then become familiar with each other.
Nagashiman immediately put it into action.
He spent all night for making Nai’s bike more fragile, and even filed the tire tubes to make them more likely to puncture. His actions gradually looked like a crime, but it didn’t matter because his intention was sexual harassment from the start. Love was always risky. And even if she got hurt and he cured it, he could get familiar with her the more.
He then broke into a nearby bike shop, then stole some repair tools.
He was standing in front of her house until the next day. He had thrown caltrops all over the street, making it easy to puncture. These were that he had stolen from a nearby ninja house.
He waited for her to come out of the house, but she never went out for a day. She was off today. As she had earned her food the day before by pachinko, there was no need for her to go out.
Nagashiman could take his eyes off Nai, whose behavior was unpredictable, so he continued standing in front of her house. In the meantime, she got caught on a caltrop in the street, causing accidents involving two cars, three bicycles, and four dogs and cats. However, this was unavoidable. Love was a selfish own world, and never be afraid of making any sacrifices.
The next day, finally she appeared outside.
But she went to work on foot……
Meanwhile, another car was caught in the caltrops and crashed. Nagashiman finally had to admit that his plan was failed. It was difficult to contact her on his own. So he stole a mobile phone from that crashed car, then called to the headquarters of MJ-12.
“……Nagashiman failed to contact Nai,”
reported Sū Anko, who received the phone call.
“I see…”
At first, Kokushi-Musō listened to the report in the air.
(to be continued)
“……Nagashiman failed to contact Nai,”
reported Sū Anko, who received the phone call.
“I see…”
At first, Kokushi-Musō listened to the report in the air.
“Ya, this is Nagashiman. I ask you a meeting with the target as soon as possible.”
The voice on the phone was being monitored by the headquarters, but Kokushi-Musō did not respond it yet. However, he was in style calling by a mobile phone.
Kokushi-Musō was hesitating for a moment what to do, but he didn’t want to continue this rambling conversation, so he decided to just chant a magic spell.
Kokushi-Musō emerged!
Kokushi-Musō chanted a spell.
▽ piro piro pii——
Nagashima got a fateful encounter.
▽
Nai got a fateful encounter.
▽
—— Thus, Nagashiman got had a fateful encounter with Nai, then he decided to visit the boutique where she worked. He’d already created the scenario how to make his encounter with Mongen Nano so fateful. That’s in his head……
(From here, it was in his head)
……In order to deepen the love with Nai the more, I wore a traditional and stylish black suit, then visited Nai’s boutique, in the name of “coming by at work”.
“Hi, Nagashiman-san!”
As soon as she saw me, she said in surprise. She just met me by chance, her mind was already on me as like loving so much.
“I got a chance coming by at work. So I dropped,”
I said, hiding my eagerness to see her.
“Thank you for coming here, even though you are busy.”
She thanked me with a sales smile. There was still some distance between us, but there was no doubt that I had a good impression of her. Just a little more. So I decided to bring out a special prop.
“Here are the tickets.
Arakawa River Rafting to Yumenoshima —— Mystic Night Cruise.
“I have two tickets, but no one to go with. I ask you go with. How about tonight?”
Nai’s eyes lit up when I said so. The Arakawa River was now that the most gorgeous and hip-hop place all people hairy became hustle was. She always wanted to visit there.
“Oh really? I’ve always wanted to go there. It’s unbelievable to go with you.”
She became innocently happy. It was likely the hottest honeymoon night for me.
Suddenly, my mobile phone rang.
I quickly took it out and dealt with the unexpected task. I demonstrated to her that I was a capable man by completing this task.
“You can treat your job well, can’t you?”
She sighed in admiration for my work then sent me the more passionate gaze. She looked pretty so much than to think it a capable man just doing such a thing, but I put my phone away then took out my ticket instead.
Seeing this, her eyes changed the color.
“Nai-chan, who are you?”
Suddenly a voice came from inside.
When I turned back, I couldn’t believe my eyes. There was a familiar figure. The person who appeared from the back of the store was Mongen Nano, who was the only woman I had once trusted. She had become the manager of this boutique now. Her face, with its friendly sales smile, met my gaze, and it gradually changed to a surprise. Something of destined one was bursting between us at the moment……
《Come on!》
Tarara~n♪
Suddenly, somewhere, the Off-Road’s song started playing. Some assistant’s camera must have caught a Renhō ‘s face by zoom-in.
As that song started playing loudly all around, everyone of there looked around in surprise, then asking, “What’s going on?” or “What’s wrong?”
Nagashiman was also brought back to reality from his scenario in the head, and he hastily looked around. Because someone’s camera must have captured a Renhō ‘s face.
Assuming from the volume of song, she must be there in very close. If the camera turned to Renhō’s hard-looking face, it would be the end at all. Everything would start going for her.
But fortunately, Renhō was nowhere to be seen. Nagashiman couldn’t help but sigh in relief, as he wanted to meet her only in the last moment.
While worrying so, he arrived at the boutique “rosé argent”. Pulled himself back to reality from the world he immersed in, he straightened the collar of his suit. He could threw it off completely. Then, with acting as Nagashima, he stepped into his destination, rosé argent.
“rosé argent” was bustling with customers at that day.
Nagashiman first stepped into this shop, he couldn’t believe his eyes. He considered it that he came into a wrong place. There were many men who were gr asping newspapers, and horse racing radio was played for BGM.
But the signboard at outside was “rosé argent”. It was definitely the boutique he was aiming for. Mannequins dressed in the clothes between the customers, but even the mannequins were grasping the horse racing newspapers.
Mongen Nano was sitting at the shop counter. But she was only glaring at a horse racing newspaper with smoking a cigarette. It was that he didn’t know well however, she was a unique horse racing fan.
The customers were glaring at her for long. They were greed for getting money by listening to her predictions. So they were paying all attentions for Nano’s every move, then creating an strange atmosphere in there.
Anyway, Nagashiman decided to look for Bakaja Nai.
She was standing there, next to Nano. She was busy taking the betting orders by phone. He emerged ahead of her, brushing his hair aside, then gave her a gentle look.
“Hello. Do you remember? This is Nagashima at that time.”
Nagashiman, acting as Nagashima, looked into Nai’s eyes, then spoke so. His hot gaze stealing her heart was not right, soon she looked away. She was busy with the betting order. She just considered he was one of the horse racing fans hanging around her. It’s no wonder. He was holding a horse racing newspaper in his hand unknowingly.
— “It can’t really say so much, but if you go there, you’ll find yourself with a horse racing newspaper in your hand,” said an insider. —
“Ha!” —— He exclaimed in surprise, threw the horse racing newspaper down and checked his clothes in a nearby mirror. After remaking his face a handsome man, he emerged ahead of Nai again. However, the red pen was still stuck in his ear.
He couldn’t notice it, then sent a gentle look again. But she did not notice his existence for so long. Stuck to the betting orders, her eyes were not on him. It could not be helped, he would talk to her again.
“Hello. I’m Nagashima, the person who met the hearts the time when met the shoulders.”
He spoke so, Nai finally noticed his existence. However, there was no reaction the after. Whether the spell chanted by Kokushi-Musō was wrong, she showed a complexed reaction. It was like she remembered, or not remembered.
So he talked to her again.
“Hello. I’m Nagashima, the person who met the hearts the time when met the shoulders.”
Heard that, her eyes began to sparkle.
“Ahh! At that time. It’s you. A Super Cub crashed into you then danced by naked?!”
Her response was quite strange.
(to be continued)
* * *
“Ahh! At that time. It’s you. A Super Cub crashed into you then danced by naked?!”
Her response was quite strange.
“Y-yes. That Nagashima is.”
He was also confused, but anyway, he went along with her story. It seemed to work wrong for Kokushi-Musō’s chanting. He cursed the accuracy of leader’s spell, but there was no way.
Magic: A golden axe extracted from the fountain of time, in the irreversible flow of the river between the gate of light and the gate of shadow, where the recurrent finiteness is fused into the infinity. If it were said, it’s The Moon or Amur”
(by Arioch) ←What?!
“It’s been a while. What’s up with you today?”
Nai asked Nagashiman. He was taking out the ticket when his eyes met Mongen Nano. She was standing nearby him.
Nano just turned her head to him, when she noticed Nai was talking to someone, but as soon as her eyes met him, she suddenly stopped moving and began to look at each other.
Both were gazing at each other for a while.
“That Nagashima-san?”
She asked his name.
“Yes, that’s right. That Nagashima is.”
He was surprising at the unexpected contact with Nano, he immediately shifted to a different love mode, the next love romance.
It began the scene2 : “A surprising reunion.”
Nano’s eyes were opened widely as if she reminded something, and his eyes also widen in sync.
《Come on!》
Tararan~♪
Suddenly, that sad theme song started playing between them. Both got excited again for the fateful song played.
By his passionate gaze, her cheeks were flushed and her eyes got watering. He was worried about Renhō was emerging with this song, although he couldn’t take his eyes off Nano, he just continued gazing at her passionately.
“Your eyes has the worth of a million dollars. You’re beautiful…,”
said so, he walked towards her.
“I’m defeated your eyes…”
Nano looked away, seemingly worn down by his sincere gaze. But the next moment, her eyes suddenly change the color, and she fired off a buy order,
“Yes, That Nagashima, buy 1-2 by a million dollars.”
To tell the truth, she was doing a black business here secretly. Upon receiving a large order unexpectedly, her voice somehow rose. She misunderstood his pickup line
“Hi, Iyayo. The buy order, a ticket 1-2 by a million dollars.”
Nai immediately called it to the betting office. She also misunderstood his line.
“I’ll buy 1-2, by 10,000 as well.”
“I’ll buy 1-2, 5,000 as well!”
“I’ll buy 3,000!”
From the people around him, similar purchase orders started. They all followed Nano’s order.
Nagashiman hurried to stop Nai, but he couldn’t. She was so busy to treat the buying orders that she did not notice Nagashiman’s pleas.
“Have I been framed?”
He was stunned, but there was no way to run away from this. He had no intention of spending a million dollars on a bet, but there still remained a mission to be familiar with Nano.
So Nagashiman took out his phone and decided to call the headquarters of MJ-12. But when he realized he was holding the horse racing newspaper in his hand, he hastily threw it away. He picked up his phone then made a call.
But there’s still a red pen stuck in his ear……
“Yes, this is the headquarters of MJ-12, a secret society of sexual harassment which has rented out the entire B13th floor of Casa de New Door City, mah,”
Shō Sangen answered from the phone.
“This is Nagashiman, but it’s not plotted the point of that Nano and I once loved each other. Please ask the boss to make it properly.”
He yelled at Shō Sangen. Their conversation was being monitored by Kokushi-Musō and Sū Anko with telephone. He interrupted their conversation.
“No way. Buy off this author.”
He refused it coldly. As Nagashiman was only a character, he could not do such a thing.
“You must do it, otherwise you will fail it. Make Nano and I were once loving each other. I can’t create the love triangle well.
“Your excellency, if you don’t chant the spell again, my plan will be ruined,”
asked Anko, too.
“You never know what will happen,”
Kokushi-Musō threw the words to Anko.
“Do something about that,”
Anko asked again.
“The responsibility is on you.”
It became a parting shot to Anko.
—— Suddenly, the author’s computer was hacked.
Kokushi-Musō emerged!
Sū Anko emerged!
Suddenly Monsters attacked!
Sū Anko must protect Kokushi-Musō…
▽
Kokushi-Musō chanted a spell of Ethics Committee!
Kokushi-Musō transformed to a member of Ethics Committee!
The author turned off his PC!
Suddenly the monitor turned to blank screen!
▽
Kokushi-Musō ran away!
Damaged to Sū Anko by1919 (I’m coming) points!!
Battle finished.
▽
Party got every 13G debt and experienced by every 203 points.
Sū Anko leveled up.
Offence of copyright increased by 2.
▽
Deceit increased by 9.
▽
Guiltiness increased by 1.
Her version became 2.9.1 (にくい: hateful)!
▽
—— Thus, the character’s challenge to the author was prevented by the author’s amazing tact in turning off his PC, and Nagashiman’s trendy operation was also ended in failure.
Nagashiman was alone, standing at the pier of Yumenoshima. He was glaring at the setting sun……
He brushed his hair back then lit a cigarette he was handing. He took out the tickets for the Arakawa River Cruise which he went with Nai, ripped them off then threw them into the sea. He was always a handsome man.
“Is that your all?”
A female voice came from the behind suddenly.
When he turned back, she was there, Renhō.
“Have you given up on Nai-chan, by such a thing?”
Renhō gave a lovely cheer. Her eyes looked brilliant in the setting sun.
“I’m not as persistent as you are,”
Nagashiman retorted.
“I was thinking to appear as your current lover or something, but I cannot appear in such situation,”
Renhō said, giving a lovely glare to him.
“Is that your all?”
“This operation was failed. It’s better to give up.”
“Failure isn’t our option on MJ-12.”
“Shut up! It’s your weird BGM changed all the conversation to be weird!”
He said angrily.
“—— I understand.”
The smile disappeared from Renhō’s face.
“I’ll tell you the reason why you lost.”
She said so with anger, walking quickly towards him, and sent him a kick.
“Whoa!!”
He was falling into the sea, keeping a handsome man.
“Because my scenes were too few!”
She replied, Then relieved from all things.
It’s not sure whether it was the true reason for their defeat, but it was not the end of this operation, from here, a trendy school drama with Renhō would be begun——
(to be continued)
* * *
San Kantsu (山完都), commonly known as Colonel Kantz, had received an unfounded order from his headquarters again.
“Do you want me to become a person of whom Henna Yatsuko looks up to?”
“Yes,” said Renhō.
“Henna Yatsuko is a gun mania, so that you’re the perfect person for this mission. I’ve arranged for you to be her school’s physical teacher, so get her attention to love.”
Renhō said in a commanding tone.
He was over fifty and still being under command by kids like Renhō, but he was originally a specialist who belonged to a special forces unit during the Vietnam War. The reason why he pledged his loyalty to MJ-12 was because he was fascinated by the personality of Kokushi-Musō. But he ended up in this situation.
For MJ-12, he worked as an intelligence, but formally, he was the head detective who manages the Kants Detective Agency. He was famous in this job as a Viet Cong (Vietnam complex) man. However, he was a bald, strong man, and has no experience of romance. Nothing to say, neither with a high school girl.
He had initially refused this mission, but when Kokushi-Musō asked him to cooperate with Renhō’s operation, there was no choice but to accept. However, he was not good at love affairs, so he passed this mission to a subordinate in the same business.
The person chosen was a new-coming detective, Haibara Amarōta (榛原亜麻郎太).
This man was not a young executive like Nagashiman, he was a bright good-looking youth. With the influence of Colonel Kantz, he became independent as a detective and even set up an office in a corner of New Door City. Colonel Kantz called him by mobile phone, and forced him to do this mission.
“……That’s it. You must intrude the school where the girl named Henna Yatsuko goes, as a physical teacher Guadalcanal Kantz, then attract her.”
He told so as like giving an order to his soldier.
Although the mission was unclear, the intruding to a girls’ school openly was good.
“An executive named Renhō will back up your activities. Do your best. If you’re successful, You’ll become Pinfu (ピンフ) or other.”
He said such a matter that Amarōta still couldn’t understand, and hung up the phone one-sidedly. He was primarily an investigative specialist, not a combat trooper.
The staff officers of MJ-12 spent too much money on such strange operations, he could not use money for the investigations so much, which often interrupted his activities. In addition, he did not want to drag into this kind of job, the love affair. He thought such an unfounded mission was better for using a novice man like Amarōta. He was a sacrificial pawn.
However, speaking of Amarōta, he couldn’t help but just grin with intruding to the girl’s school.
* * *
As the bell rang for the start of class, Renhō appeared before Henna Yatsuko and her classmates. She was their recently transferred teacher, Ms. Aihō.
“Today’s physical class is an off-campus training session. For this, I’ve invited a special and wonderful teacher. Here’s, Mr. Guadalcanal,”
said so, she was calling out to The Colonel Kantz. However, the man who appeared was Amarōta, who wore a jersey.
《Come on!》
Suddenly, Renhō’s face was zoomed in, then the sweet and sad melody of Off-Road began to play. Previous trendy operation was still going.
The sudden music caused everyone to look around in confusion. Amarōta either did not heard about this music, so he just looked around in confusion, too.
“Kantz!”
Renhō exclaimed cheerfully, running towards Amarōta.
Waving her hand, she ran up to him, but suddenly kicked him down. He was hit his face hardly.
“It’s not Colonel Kantz!”
She retorted severely.
“I’m here on behalf of him. It’s his order,”
Amarōta tried to explain, holding his nose.
“Oh, is that so?”
“Don’t attack me,”
She said coldly.
— No one can attack her! — Amarōta.shouted in his mind.
Renhō was angry at Colonel Kantz’s betrayal, but since she had introduced him as Guadalcanal Kantz, it couldn’t be helped. She decided to punish Colonel Kantz later, then continued the plan with Amarōta as Guadalcanal Kantz.
Amarōta was following to Renhō and stood at the girls. He looked at his target, Henna Yatsuko. He heard that she was a pretty girl with two-blocks short hair, but when he looked around her, there were many similar faces lined up. He could not find her.
Renhō introduced Guadalcanal Kantz then began to explain about the outdoor lesson.
“Today we will be going to Central Park of New Door City. Guadalcanal Kantz will give you the details.”
Said so, Amarōta took out a document and read it aloud.
“Operational Duty (…?)
The activity of young baldness became stronger in Central Park of New Door City. The battle over the baldness and its anti-baldness medicine was going on here every day, and the problem of young baldness cannot be ignored even for high school girls.
You all will also be dispatched to Central Park of New Door City, then will occupy the enemy camp and obtain the information about baldness. That’s all. (…?)”
He just read it out following as Colonel Kantz told. As Colonel Kantz didn’t tell the details, Amarōta had no idea what it would mean……
* * *
The roar of cannon fires came from the further.
☆ Bom! ☆ Bom! ☆ Bo♂m! ☆
Bombs beat the enemy’s camp so hard on the hills ahead.
“Chaaarge!!”
A bald man roared angrily.
By this order, the salarymen started crawling out of the trenches then began a fierce charge towards the hill. They all were arming with bags and umbrellas as weapons. But they were all bald!
“Charge!”
Renhō also ordered Henna Yatsuko and the other students.
Following this order, the female students, wearing camouflage pants and helmets, began to crawl out of the trenches. However, Amarōta still kept in his position, not crawling out of the trench. He couldn’t understand this abnormity of high school girls suddenly starting a war, but none of the girls around him thought it abnormal.
“Hey, Mr. Guadalcanal! You must lead the charge ahead!”
Renhō grabbed his neck, then mercilessly threw him out of the trench.
“It’s not my story!”
He screamed. His story were enjoying the exercise with the bloomers of high school girls! (←just selfish imagination), but now everyone was wearing camouflage pants. His face was filled with the frustration as his ulterior motives have been leaked.
Renhō pulls out her gun from her waist then pointed at him.
“Charge or die!”
She threatened him showing the gun. Whether she will kill him truly, she went to a heavy machine gun nearby her, then started firing mercilessly.
“Ooops!”
He hastily ran off to the top of the hill, reminding that he had to become a person Henna Yatsuko was attracted.
Anyway, speaking of Henna Yatsuko, she and her classmates were at the rear side of the troops advancing to the top of the hill. However the front-line troops were running up the hill under heavy enemy’s gunfire, her line still could march on foot.
It’s not the matter for her as the battle over the baldness and the anti-baldness medicine, but she went with the flow. However, she didn’t have any weapons. Instead, Teacher Aihō handed her a bamboo broom. Did she want her to clean the battlefield up? Yatsuko picked up the binoculars then looked over the attacking forces charging near the top of the hill.
(to be continued)
Looking through by her binoculars, there could be seen a fierce battle going on up the hill.
The charging salarymen were like shaking the earth, but the enemy was well-organized. They unleashed the barrage of machine gun fire and bombs from their bunkers and pillboxes.
Continuously, the lines of salarymen were cut down, the bombs blew them away. There were many wigs on their heads flying to the sky. Soon, the hill was covered with miserable salarymen.
But they never gave it up by such a thing. They continued charging, after being over their comrades, then cut down by the machine gun fire. It looked like the aliens who could move after dying.
But the charging lines were quickly annihilated, then the high school girls, including Yatsuko, were stood at the front. But the machine gun fires were attacking to them mercilessly.
Suffering their attacks, the high school girls were screaming and running away in all directions. Yatsuko also hurriedly ran into nearby the cover. The bombs were exploded around Yatsuko, her classmates could not help but screaming. There was no chance to attack anymore.
By this, the charge which was not certain who ordered was ended in complete failure. Silence returned to the battlefield, and there only saw the miserable salarymen who could move slightly on the slope of the hill.
From the battlefield, it’s not sure who was singing, a sad music was played.
√ Please tell me, if you can cure the baldness completely…♪
Please give us the anti-baldness medicine~~♯
Does A****a work?
How’s the S****s?
My precious hair is falling out again.♪♪
Please tell me……♭
“Oh, it’s the ‘The Guard**n’s Song’.”
Yatsuko thought so, hiding in a cover (Jahon Music Copyright Association Review No. 203 — Lie). She also thought she was in trouble with the worthless battle, but waited for an opportunity to escape. But if she emerged the face carelessly, she would only be shot down.
Suddenly, a man wearing a jersey ran through the nearby of her. It was Amarōta, Teacher Guadalcanal. Half crying, he was running towards the enemy camp. It was as like he was escaping from something.
“Hey! It’s danger!”
She was calling out to him, but her voice was unheard. Amarōta could not help charging to the enemy camp.
“—— A man in a jersey charging ahead!”
A soldier shouted, Colonel Kuntz looked through by his binoculars in his pillbox.
He was now in the enemy camp on the hill, wearing a brown uniform with red rank insignia, a typical tyrannical state’s uniform. He participated in a military exercise held that day in New Door City as an ex-Viet-Cong. Nothing to say, this “Viet Cong” meant the Vietnam Complex.
Looking through by his binoculars, he saw a young man in a jersey was running towards among the rows of dead bodies.
“He is a teacher at some school…”
He said the impression.
“Shoot him down,”
said so, a soldier pulled the trigger of machine gun. Colonel Kantz thought it natural.
He watched it by binoculars for a while, but suddenly he made the shooting stopped. He realized it was Amarōta. The barrage of bullets about to approach was just escaped from him hairy.
However, because Amarōta was being shot at from the behind as well, he didn’t notice the enemy bullets were stopped, then reached to the enemy camp. It was that no one could do it. But he still kept running. He couldn’t stop because Renhō continued shooting.
All the enemy soldiers overlooked he was running. It looked like he was about to reach the top of the hill. But Colonel Kantz quickly moved from the pillbox then rushed into him. He stopped him with his body.
“Are you troubled in the baldness, too?”
He shouted at Amarōta. But he hadn’t heard that Renhō would use this battle as her operation.
“—– What?”
Colonel Kantz suddenly appeared on him in military uniform, and he was confused. He did not heard that he was in there either.
Renhō’s machine gun bullets caught up with them and passed between them. Hit by gunfires, Colonel Kantz immediately ducked down to shield him.
His soldiers got Anger with Colonel Kantz had been shot, the machine guns fires were all opened at once.
The barrage of bullets was concentrated on Renhō’s machine gun, in fear, she ran away from the battlefield, forgetting about her mission.
“Hey! Teacher Aihō is running away!”
A high school girl was standing up and pointed at her, who was abandoning her students.
Hearing this accusation, Yatsuko turned back. Sure enough, Teacher Aihō was fleeing the battlefield. Her escape was very quick, soon she was out of range of the enemy camp.
“Too quick!”
Yatsuko swore in a strange way.
The high school girls booed all at once. But now it’s not the time for that. It was dangerous unless they could destroy the enemy’s pillboxes. It would be dangerous to escape from here.
“If we can’t, there was no choice……”
Yatsuko decided to fight. She borrowed a mobile phone from a salaryman who was down nearby her, then called the Bodycon Gal-Force. As the enemy was also attacking high school girls, it became the reason to dispatch the Bodycon Gal-Force.
She might have been capable to transform into a Bodycon Gal-Force then fought them alone, but she didn’t want to do such an embarrassing matter, so she just waited for her friends to arrive. She told her classmates to hide in holes, then moved to the machine gun which Renhō discarded. She used it for her weapon.
Meanwhile, up on the hill, Colonel Kantz was persuading Amarōta.
“……So don’t worry. I’ll give you one pillbox. Just following my order, you will look like a great commander. Do your best!”
Colonel Kantz said so, handed Amarōta a submachine gun and two grenades, then got him out of the cover.
It was just a problem for Amarōta to be handed weapons, for whom had no experience of war. However, it was no concern about Colonel Kantz, so he ordered his soldiers to shoot him by machine guns, not to hit him. It was for increasing the realism of the battlefield. Now Amarōta had to run through the battlefield again.
“Enjoy the exercise with the bloomers of high school girls!!”
Repeating his dream, he had to run down the hill.
To increase the realism, Colonel Kantz threw a hand grenade at Amarōta.
《Ahhhhh!!》
It exploded at his feet around accurately, blew him high into the sky. He lost his mind by this blast, then fell into a hole where Yatsuko was hiding. It was a skillful support by Colonel Kantz.
(to be continued)
“…………”
Amarōta was in a strangely soft and warm feeling, as like he was sleeping on a bed. He was wondering if the hit by bomb made him so, like a dream, gradually regained his senses.
He looked up, it was there Yatsuko’s face, in front of his nose.
She looked a pretty girl when Renhō introduced her, but up close, she looked even prettier. Her clear skin was without any blemish, and the boyish face was slightly blushed.
Yatsuko instinctively looked away by his gaze, and then he realized his hand was on her breast.
It realized that he had unintentionally touched her breast and quickly stepped back (In mind, lucky wow!).
She was embarrassed by a missile man who suddenly came flying at her, forgetting to pull out the Killer Shotgun, just flushed her face by red. It was the first experience of such a thing, so she didn’t know what to do. But his up-close face looked good unexpectedly.
She wondered what to do with this man, but he pulled away his hand before she could pull out the Killer Shotgun, and that was all up.
“Sorry (Lucky).”
Amarōta apologized. But she couldn’t send any responds. She just blushed the more. Both looked at each other for a while. It did not look like doing it on purpose, so she decided to forgive him.
To hide his embarrassment at what he had done, Amarōta immediately carried out the plan.
“I stole weapons from enemy.”
Said so, he took out a submachine gun and a grenade which received from Colonel Kantz, and handed the grenade to Yatsuko.
“Destroy the pillbox in front?”
She asked him.
“Yes, so,”
said Amarōta.
The pillbox in front is the position which Colonel Kantz told they could get. He had to fight there smartly here then become the man she looked up to.
“Right. Let’s do it.”
He said so, pulled the safety pin of a grenade. Yatsuko took a heavy machine gun up to her front, then prepared to attack.
“Let it control by grenades and quickly take on!”
To show a good commander, he spoke the words that Colonel Kantz had taught him in advance, arranging them in his own way.
Although he didn’t look like a good commander for Yatsuko, but understood the order. She nodded silently.
She showed her upper body from the cover, threw a grenade at the pillbox. Not long after, Amarōta also threw a grenade.
Her grenade exploded in a pillbox.
“Let’s go!”
Before Amarōta gave an order, Yatsuko roared so, then jumped out of the cover. Yatsuko began to charge towards the pillbox, firing boldly with a heavy machine gun on her hip. Her action was so quick.
Amarōta, who had to fight smartly by getting ahead of her, also started charging after her. To think so, something caught on his foot. He stumbled forward. The sling cord of his submachine gun was tangled in his first step.
《Slippery!!》
Amarōta fell down hard.
He stumbled forward and couldn’t help grasping something. In front of him, there were Yatsuko’s buttocks.
He clang to her body, his face pressed into her buttocks. His weight caused the suspenders of her camouflage pants to fly off, and her pants slid down.
“What?!”
She screamed and quickly grabbed her buttocks.
Bloomers appeared on the battlefield.
Her butt was pressed by Amarōta’s face, but with her camouflage pants pulled down to her ankles, she lost her balance just like Amarōta and fell forward.
《What the hell!》
Fell down from the face to the ground, she turned and glared at Amarōta, who was clinging to her leg. His leg was tangled up in the sling of the submachine gun.
To see her angry face, he hurriedly explained his action.
“I don’t do it purposely. The string got caught around my leg. See!”
He thrashed his feet in the air, trying to untangle the tangled gun’s code. But she was sending a suspicious gaze.
This man was something strange when he suddenly flew into her like a missile. It was so when he had appeared as Teacher Guadalcanal, who came here specially for today. He just looked a stupid man. She began to wonder if it was just a sexual harassment, but it did not look like on purpose.
Anyway, she decided to ignore him, and re-aimed the heavy machine gun. Fortunately, there was no counterattack from the enemy.
Amarōta is afraid of her cold attitude, however, to keep his dignity as a teacher, he quickly stood up.
“Let’s take the pillbox!”
He shouted, and restarted to charge. Colonel Kantz had told there were no enemy in the pillbox ahead, so it was safe. He rushed there, like running away from her. He quickly took it over.
Yatsuko no longer trusted him, but paying attention for the around, she pursued his way.
Coming to the pillbox, he found Colonel Kantz was waiting for.
“Well done.”
He showed all smiles as he could see the bloomer of high school girl on the battlefield.
“Next, take the bloomers off.”
He said something irresponsible, forgetting the mission.
“But we can’t lose our points anymore, you should get out. Now we’ll start counterattacking, so you will retreat with fighting smartly. Don’t worry. We’ll keep your safe. Get all the high school girls to take on a safe place. It’ll raise your trust up. Do you understand?”
He said so briefly, quickly left the pillbox through an escape route.
After his leaving, Yatsuko showed her face from the pillbox’s muzzle instead.
“Where’s the enemy?”
She asked, peeping into the pillbox.
“They ran away.”
He just said so.
(to be continued)
The location was now the B12 floor of Casa de New Door City.
The four members of the Bodycon Gal-Force were gathered in a conference room, excluding Yatsuko.
The room was covered in dark, but suddenly the monitor on the wall was lit up, then the face of Commander Ankō (暗刻指令) was appeared. He gave an order.
“I received a message from Henna Yatsuko. She informed me that salarymen and high school girls were caught up in a war between the baldness and the anti-baldness medicine at Safari Land in New Door City Park. Yatsuko was actually caught up in this battle……”
“Yakko-chan, is she bald?”
Yada Iyayo (八田弥代) wondered.
“I don’t know. She’s always bold however,”
Bakaja Nai (瑪茄社奈伊) replied.
Commander Ankō said,
“Henna Yatsuko and her classmates were forced to participate the combat in the name of a class subject. It also proves that the management of offensive power is kept by the semi-forced conscription.
This is a serious challenge to Japan that proclaims the renunciation of war. In addition, it cannot be overlooked from a humanitarian standpoint.
Therefore, you all go to Safari Land in New Door City, rescue Hena Yatsuko and the others. And get the testimony that proves they were forced to fight. It’s just around the corner, so please go there immediately. That’s all.”
Commander Ankō said so, then cut off the communication one-sidedly, as usual.
“Is the story big enough?”
Mongen Nano (門幻菜乃) commented.
“Is it okay to do a war in Japan?”
Nai asked. But it was nonsense for expecting the reality on this story.
“There was a bomb exploding in the street a bit before. That’s a war,”
said Iyayo. She did not understand what was going.
Shitsu Reina (志津麗奈) quietly stood up, realizing the mean, then addressed everyone.
“War is aside, but it cannot be bearable for innocent girls had to fight. Let’s go and rescue Yakko-chan and the other girls right now!”
No one disagreed.
The war was there just in a five-minute walk, so the bodycon Gal-Force arrived there very quickly.
Safari Land in New Door City Park: A free-roaming wild animal zone located on the south of this city park. Give a real jungle to the urban jungle —— by such a concept, this safari park was created as the urban greening project. Admission was free. It’s a great place for animals, where people can observe the live ecology of animals from the jungle to the savanna.
(New Door City Research Team)
“——Colonel! Bodycon Gal-Force in the rear!”
As sudden Bodycon Gal-Force, Colonel Kantz was surprised. He turned back in shock. At the top of the hill, there stood the Bodycon Gal-Force, who were out of place on the battlefield completely. They all had already finished changing to their suits.
Reina picked out a credit card from her beautiful breasts, kissed it lightly. Then, like whispering but boldly, told her catchphrase.
“It can change the city’s color, as is the graceful and beautiful Cattleya, Rouge-Aldan Reina!”
Nai held the pachinko balls between his fingers. Then held them close to her cheek. She talked sweetly, playing with the balls.
“Sweet and bitter youth age is like the scent of hydrangeas dropping a dew. As is the hydrangea faintly dyed blue, Aquamarine Nai!”
Nano was holding a whip in her hands, considering who to punish……
“The dandelion, which bounces back no matter how many times it is trampled on, is a symbol of the earnest girls’ heart. As is a special male of Bodycon Gal-Force, Primrose Nano! (I can say my catchphrase now!)”
Iyayo played with her hair, searching for the split ends…
“The wreath of daisies is the wish of innocent girls. A prayer for the knights. Combine the flower to flower —— It’s a war! As is the flower of love dedicated to the knights, Cherry-Pink Iyayo! (I could say too, but a bit strange!)”
As soon as they finished the catchphrases, they showed the four troops version of their signature posing, with the unfounded movements. They even showed the flash in their background, it was unclear what the meaning was, however. It was the scene when Bodycon Gal-Force appeared.
They took out their weapons, immediately went on the attack. Credit cards, pachinko balls, and bet-losing tickets — such special weapons flew across the battlefield.
The enemy soldiers soon caused the demoralization, by these special weapons. They were against bald men, but they were not against the bodycon gals.
“Oh, we cannot get a girlfriend if we were against Bodycon Gal-Force forever!”
“My wish is only to see the bodycon gals!”
“Sorry. I dropped from this mission.”
The soldiers were a group of mercenaries. Mercenaries had the less morale. Soldiers here and there began to slip out of the camp.
“Don’t attack people who are fleeing!”
Reina gave an elegant order to the fellows.
It made the soldiers easy to flee, their morale was weakened more. Those who continued fighting were added the merciless attacks.
(to be continued)
With the arrival of the BodyconGal-Force, the soldiers around Colonel Kantz began to flee one by one. In front of civilian-like attacks, they could not fight with their weapons which suited the battlefield. It was did out of place!
Colonel Kantz cornered the attacking force about to annihilate, but it was not his goal. For him, making Amarōta fight smartly was the mission.
However, speaking of Amarōta, he just continued blown away by bombs, he did not look smart at all.
Only Yatsuko is fighting so hard.
《Uhhhh!!》
Amarōta was blown again by a bomb.
Facing a fierce attack, Amarōta and Yatsuko had to flee from the pillbox. Yatsuko also cannot grasp the situation, simply shot down anything that caught her eyes.
《Gyaaaaaahh!!》
The blown Amarōta flied into Yatsuko’s chest, while being shot by her machine gun.
“Why do you jump into me?!”
She screamed and dodged him.
“Ain’t you do a sexual harassment?!”
“N-no. It’s not!”
He excused himself in bleeding. He just wanted something to lean on, but the figure walking towards her, undoubtedly looked like a zombie.
“Hi, Yakko-chan. You again shoot the man.”
Suddenly, Iyayo’s voice comes from the battlefield.
When Yatsuko looked around, she saw four Bodycon Gals standing stood on the hill, where smoke was still lingering.
Unconsciously, the enemy had disappeared from the battlefield. Colonel Kantz gave it up to fight, then retreated with the remnant of his soldiers.
“Even if a dummy shot, you shoot without thinking, you’ll never get a boyfriend.”
Nai said so.
“You can’t say it!” Yatsuko thought, but
“Sorry. It’s not a dummy shot…”
was only a thing she left.
“Oh, sad……”
At those words, Amarōta fell into despair, bleeding a lot.
Amarōta was down at last, reflecting on his life. (But this is a story so that no one died)
“—— Her breast was really soft…”
This was his last words.
“He’s really erotic!!” (.by everyone)
* * *
“——That’s The End.”
To watch by the monitor that Amarōta’s was gone, Kokushi-Musō declared the ending of this operation. In front of him, Sū Anko ver.2.9.1 was standing.
“Noh, its nat meant De End yeto.”
Despite some bugs looked by the update, Anko ver.2.9.1 did not admit the failure. However, Kokushi-Musō convinced the failure at the time when Renhō had escaped.
“The third love storm has already bequnケケケ”
She announced the launch of a new operation.
Then, the monitor showed a small man in a Manchu suit with a red-star fur cap, who was seemed out of place on the battlefield. It was Shō Sangen. He was a specialist of creating cyborgs on MJ-12.
“How dare you take part in such a plan……”
Kokushi-Musō muttered coldly. By the way, Sangen’s real name was Mentanpin Doraichi (綿反品鑼一). He’s not a mystic Chinese.
“Now, let’s go back to school!”
Reina told everyone.
“Yes!”
Yatsuko’s classmates said so in unison. The way back to school was like a picnic.
But in the behind of enjoying the picnic mood, the third love storm was already creeping up to. It was a little earlier for the Bodycon Gal-Force to enter their beautiful ending.
Bodycon Gal-Force were surrounded by high school girls, so that they could not notice Shō Sangen was approaching from the behind. But with he was really small, no one could catch him in the eyes.
In this time, Yatsuko’s classmates were willing to the liberation from fighting, asked Bodycon Gal-Force innocently.
“How do you keep a good proportion?”
“Where do you buy the clothes?”
“How do you dress the body-conscious clothes well?”
They each questioned them so much and never left them. Reina and the members were so busy that they didn’t even notice the small man beside them, who tried to communicate by sign language.
Sangen, who played the role of “a man who speaks of love in sign language,” has been studying hard all night for this day, but no one notices his efforts. Trying it hard for everyone to notice his existence, he moved to a position where Bodycon Gal-Force could see him, but with all the Bodycon Gal-Force were busy for high school girls, they all couldn’t notice him at all.
That was the end of his operation…
For that, the story did not have a punch line, so there played a nice music. By this way, it would have looked like a nice drama.
While Sangen continued his futile efforts in front of Bodycon Gal-Force, some nice music started playing in the background, as if everything was going well.
It might have been the song “ROB! ROB! ROB!” by Drimog (Drilling Mole Group), which was a famous music band. (Jahon Music Copyright Association Review No. 204).
Anyway, Sangen’s futile plan was ended, sublimating beautifully… .fin
“It’s better to end quickly,”
Kokushi-Musō commented. He never cared about his effort. He just wanted to be free from this operation as possible.
“I requested the fast ending like Act 3,”
he added. By the way, the story is about five times longer than Act.3 (compared with our products).
“But it’s not the end,”
said Anko ver.2.9.2. She had recovered her body by fixing the bug.
“We’ll carry out a new operation to add the more damage to them.”
“Isn’t it a pointless effort?”
Kokushi-Musō retorted, but it only infuriated her.
“We must not give them any rest!”
Anko insisted hysterically.
“I’ve prepared a new operation. This time, it’s a detective story. We must beat them with this detective story. The title is——
— Detective Story —
Dancing and roaring to The Sun in Western Police of Detective Edition with pure heart
I was too busy to think about, so that I will steal all detective stories.
——Ahhhh!!!”
“Have you cleared the copyright?”
Before Kokushi-Musō asked so, a death scream came from Anko.
Her version was risen up again.
However, as many bugs were detected, this operation was canceled. Kokushi-Musō felt relieved.
(ACT.5 End)