Contemplation Field of MichiroJohn

Chapter3-5


V−5.マトリックス
 
 

 

Matrix (1999)[al] by The Wachowskis[am]

 

 

 ミナイ・ミテナイ人とホラレル人は、何モノかの策略にはまってドタバタ劇を演じることになった。

 

 ミナイ人は、ホラレル人がミテナイ人を見てミナイ人と誤認しているのを馬鹿にしていた。彼らはその時、ある一団がかみのけ座超銀河団に移住を果たしていた。現地種族をだますのに成功したということだ。彼らは今日的な謎かけの仕方でかみのけ座超銀河団の知的生命体たちを翻弄した。謎かけ自体はハラヘル人が硬直化した社会の流動性を高めるために始めたものに端を発するらしいが、それは特権階級が自己保身を図るために悪用されておかしくなっていった。民衆支配の道具となってしまったということだ。その方法論は各地の支配階級に伝えられ、様々な要素を加えながら進化していった。完成度においてはミテナイ人のものがさらに上を行っていたようだ。意味のないものに意味があるかのように思わせる点において、ミテナイ人は比類ないものがあったらしい。元のミナイ人がまったく論理的でなく、未来的なビジョンは何モノか任せという他力本願的な態度が生みだした結果だったのかもしれない。彼らはかみのけ座超銀河団の知的生命体の支配階級を吸収しながらミテナイ集団を強固していったようだ。

 この、ミテナイ人に従った者たちをここではコマル(Komar)人[*17]と呼ぶことにする。いくつかの銀河にまたがる種族のようだが、区別せずに総称でいいと考えられる。行動パターンがミテナイ人と同じだからだ。

 

 

They have been spread within 1.45x10 to 4.05x108 light years away.[an]

 

 一方、ホラレル人は、ミナイ人が現地に植民されたハラヘル・スレタ人を自分たちだと誤認しているのを見て馬鹿にしていた。彼らは権威主義的であり、謎かけのような非論理的な遊びは受け入れていなかった。彼らにとっての最重要課題は何モノかを凌駕してみせることであり、そのための侵略であり、その裏には空間支配量を増やすという目的があったようだ。彼らは時空間エネルギーの操作においては何モノかに匹敵しており、時空間エネルギーを操作する『予知行動』や、ちょっとしたタイムトラベルも不可能ではなかったようだ。それは何モノかの世界において、秘儀中の秘儀とされるものだ。

 

Figure Ab: The Foreseeing Action

 

   

 

One of the time travels that changes today's event. If the space-time energy has a gap or nonuniformity, we can send the anything energies to  the gap. All energies are supposed to consist of one dimension so that we can send the energies if the space-time energy makes discontinuous field ( This SF story set it so ). If we can send the something energy to the past, the history can be changed. In this case, a man who was  shot by the gun, easily can dodge the bullet like the movie " The Matrix ". But the man would have started to dodge the bullet before the trigger  had been pulled. The history would been changed for the dodging the bullet completely, but the memory of this event not changed completely.  Anyway, this action would hardly be restricted by someONE.

 

 ホラレル人はミテナイ人の歴史が自分たちよりも浅いのを見て、下等種族と見下していた。実際にはミナイ人のほうが古い種族だったようだ。ただ侵略性が少ないために、ホラレル人よりも勢力が小さかっただけのことだ。両者はお互いに「よく分かってない」との言葉の応酬を繰り広げ、いかに自分たちが賢いかの知識をみせつける意地の張り合いを繰り広げた。お互いに自分たちが一番だと思っていたので、全く引くことがなかった。

 そこで謙虚さを学べば良かったのかもしれないが、両者は言い合いをしているうちに結託し、こんなドタバタ劇を演じさせた何モノかに復讐することを誓い合った。彼らは何モノかに勝てるだけのエネルギーを集めるために、周辺種族への侵略を開始した。それはミテナイ人が主力となって何モノかよりもより多くの『あの声』を使って周辺種族をたぶらかし、自陣営に引きずり込もうという策略だったようだ。正攻法では『あの声』のほうが強大に見えるので、『あの声』がいかに残虐であるかを強調する必要があった。ホラレル人も領域内にミテナイ人を招致して、同様の侵略を開始した。イデアフィールドの上に立つ自分たちが何モノかに勝つためには、生きている自分たちが結託して何モノかにNOを突き付ける必要があると考えたのだ。今日でもこれらの言動は消極的に聞かれることがある。何かを隠している感じだ。この作戦はある程度成功する見込みがあったが、成功までの期間に何十億年かかるか分からない欠点があった。

 

 彼らはそれが神のルールではないのか?ーーーとの詭弁を弄して、アンチ何モノかの世界を新興種族の中に繰り広げていった。支配階級にはChart:Zのような図を見せて、まだ大丈夫だの様な論理を展開し、腐敗したアンドロイド社会を補強していく一方で、見返りとして自分たちが『新たな世界』を作るのに協力するように現地の支配階級を説いていった。

 何モノかはそれに静観の構えを取っていた。何モノかは彼らに「自分たちの代わりに神になるとして、どのような世界を作るつもりなのか?」と問うたが、彼らはその未来的なビジョンを指し示すことが出来なかった。ただ何モノかの世界を真似たことをしようとした。何モノかが求めているのは自分たちを乗り越えてみせることだ。しかしホラレル人の活動はその影響地域が拡大するうちに何モノかを打倒することを目指すようになっており、その考えとは相容れなかった。何モノかを打倒するためには、同じような宇宙種族であるオラン人やヨーデン人を打倒する必要もあった。オラン人はこの時、生きながらにして『あの世』に行き来するような究極の存在になりつつあり、ホラレル人にとっての最大の脅威だった。

 

Chart Z: The conducts of the Universal Species  


● Bad or Large  ○ Good or Small  ]  They don't do this  ◎ dispersed systems

 

 ミテナイ・ホラレルの基本戦略は、Chart:Zの図では●が3個以上が危険水域であるので、1個か2個かである内は問題ないということだった。権力を腐敗させないと彼らの陣営に加わる種族はないと考えられたため、まず現地社会をアンドロイド化し、軽度に腐敗させる必要があった。何モノかには自然法に依拠したような物言いがあり、絶対主義との親和性が高いといえるが、腐敗権力との親和性が低いといえた。自然法というものは腐敗権力は革命によって打倒されるのが当然としているからだ。つまり民主主義形態を残したまま権力腐敗を起こさせると一番何モノかと相容れない社会を作り上げることができた。彼らが目指した現地社会はここだ。

 さらに彼らは、何モノかの言説にある教条主義的な部分を強調し、何モノかこそが悪魔であり、我々はその悪弊と戦っている正義の戦士だという主張を行った。また社会腐敗を軽度に留めることは何モノかの攻撃をかわすことにつながり、かつ自分たちの支配を永久のものにすることができるとも説いた。現地の支配階級がアンドロイド化してしまうと権力腐敗が起き、いとも簡単にこのような提案に飛びついたようだった。公平性が高く、流動性が大きい社会では知的生命体がアンドロイド化しても支配階級の入れ替わりが激しく、彼らの陣営に留まり続ける可能性が低くなるため、ある程度の社会の硬直化も必要だった。腐敗した社会の硬直化を図るには、ヒエラルキーを作ってしまうのが一番だった。各階級への流動があることで社会が健全であるかのようにみせかける欺瞞に満ちた社会だ。元々ハラヘル社会にあったものを移植することで何モノかがそれを意図しているように見せかけることが可能だった。

 

Figure Ac: The cosmic religion of Hora[*18]( and Haraher-Sleta )

 

 

Mephistopheles[ad]         Aguares                         Baal                                 Aamon                            Lamia[ap]

 

These pictures following Aguares to Aamon are referred to the book " Dictionnaire Infernal ".[aq]

 

The hierarchy of Haraher society would have been made the unfairness of the wealth. The ruling class of Haraher had made the barrier among  the each class by doing the riddle or the game, which we can imagine even today. The riddle or the game had looked so stupid and cheep that  they had to make it tremendous with using the threat at the same time. This activity would have been real tremendous when it had been  occured the contact with Hora. Hora people might exist in the Horologium Supercluster, their society might be under the ultra-totalism, where no  one could live but the Androids could. AI commander had dominated the Andoroids as the queen bee, and had used the Androids as the army  ants, and might be something religious. The axis members would have been called as " Mephist " or somehting similar name. They would had  colonized near the planet of Haraher-Sleta as the people of Eroi. Nowadays, Eroi and Hora have defined as the different people, at that time  had almost been the same. They had made up the cosmic religion engaged with the riddling of Haraher-Sleta, but exterminated with the planet  Eroi. The members could be seen as the devils in verious region of The Earth ---- maybe interferenced by SomeONE.

 

 これらの操作を行うことで、何モノかの干渉がある世界でも彼らになびく者を作り出すことが可能と考えられた。これを考案したのはホラレル人のAIコマンダーのようだ。ホラレルのAIコマンダーはビッグデータを個人もしくは個人国家が独占的に所有して情報の公平性を欠いていたが、シメル人のAIコマンダーのように客観的かつ具体性に富んだ判断をしてみせ、他を圧倒したようだ。しかしシメル人のものより多く情報を独占していたので、腐敗権力そのものだったらしい。

 しかし情報独占をする者の常で、情報を自分の都合の良いように解釈しやすく、近視眼的な動きを取りがちだったようだ。『棒』たちが何モノかを凌駕することから打倒することに変化していく中で、ホラレルのAIコマンダーはそのための方法論を提供したが、その先のビジョンは提供しなかった。過去のデータからの解析ばかりを行って、未来予測を欠いていたようだ。カレらの言説の中には、全く未知のものはコンピューターからでなく人間から多く生まれるというものがある。過去にこだわっていては未来は作り出せないのだろう。逆に言えば、コンピューターは過去から未来を導き出す方法論に徹しさせるべきで、人間の補完物であることに限局させればいいのかもしれない。ホラレル人はそのようにAIコンピューティングを限局させて何モノかの一定の支持を得、その勢力を拡大させたが、AIコンピューティングに頼りすぎて未来的なビジョンを見失ったようだ。その活動スタイルは過去のパワーポリティックス的な政策論に終始しており、力で宇宙を支配しようとした。だが何モノかは宇宙の秩序がパワーポリティックスで動かないようになることを目指していた。

 ミテナイ人を巻き込んだホラレル人の活動はつまるところ、過去の国家間紛争を宇宙的な規模に焼き直したものでしかなかった。この活動は何モノかの新興種族への干渉に相乗りした形で現れ、自身を他惑星に移住させるといった形で具体化した。平和的な侵略だ。

 過去のデータをAI分析して導き出された方法論は無駄がなく、何モノかの言動に対しての切り返しの言葉が多く用意されていた。現地民には一見してどちらが正しいのかの判断が難しかった。ミテナイ・ホラレル人は生きている自分たちの優位性を利用してまず移住に成功し、生きていない何モノかの言動を排除しながら現地民の自陣営への引き込みを行っていった。そこまでは凄かったが、その先がなかった。何モノかが排除された『新しい世界』をどのように作り上げていくかは自分たちで考える必要があった。ミテナイ・ホラレル人はこのようにしてメンバーを増やしていけばやがて勝利すると言うだけだった。何億年先になるか分からない勝利へのゴールだ。このような先行き不透明なやり方に、アンドロイド化して権力腐敗を起こしていたコマル人たちは軒並み呑み込まれていき、その侵略の矛先はうみへび座超銀河団のほうにまで伸びていった。そこは何モノかが住んでいたとされる候補地の一つだ。しかしそこにはそれらしい種族はおらず、過去になんらかの宇宙種族が住んでいたらしい痕跡が残されていた。彼らは前ヒドイ(Pre-Hidoi)人と呼ぶことにする。前ヒドイ人が見つからないことに不可思議さが残ったが、その歴史的経緯が深く調査されることはなかったようだ。代わりに新興種族と思われる知的生命体が彼らの餌食となった。さらにそこを足掛かりとして、しし座超銀河団への調査隊が組織された。そこも何モノかがいたかもしれない候補地の1つだ。ちなみにこの調査は主星の崩壊により、途中頓挫してしまったという。

 

 

They have been spread within 1.05x10 to 1.58x108 light years away.[ar]

 

 一方、内部の不満分子を排除したオラン人は、大体35億年前からこれらの地域への捜索を開始しだし、ミナイ・ミテナイの存在を把握していっていた。かみのけ座超銀河団のミテナイ人を討伐するための艦隊も派遣されたが、彼らはコマル人を人間の盾に取り、抵抗した。オラン人は何モノかの勧めに従っており、現地民を虐殺したりはしないと考えたからだ。だがミテナイ人地域へのオラン艦隊の進出はホラレル人勢力を刺激することになり、超銀河団間戦争の機運が一気に高まっていった。ホラレル人はオラン宙域に密かに艦隊を送り込み始めた。

 ホラレル人はシメル人の時代からその存在が知られていたが、さしあたり脅威とはなっていなかった。彼らはテンサイ人での失敗以降は対外的な侵略は控えるようになっていたからだ。「テンサイ人を滅ぼしたのは我々だ」とホラレル人はオラン人に告げていたが、何かを隠していた。ホラレル人は友好的な隣人の立場を取っていたため、あからさまにオラン人のすることに反対しなかった。オラン人が人道的な見地からかみのけ座超銀河団に派兵すると声明を発した時も、それに同意しつつ、ミテナイ人を裏で援助した。いつまで経ってもミテナイ人勢力が一掃できないことに業を煮やしたオラン人がさらなる派遣艦隊を送った時、ホラレル人が牙をむいた。

 

Chart Z: The Inter-superclusters War[aw] 

 

The space fleets of Horarer which had been called " the Invisible Ship " had got a sudden strike to the solar system of Oran. The Oran's  Defence force had been in a tough battle by this new type of army. Because their new ships had taken the actions which their bodies had made  of the space-time energies crystallized, they had got into the space of the enemies and self-decayed with the enemies, that had been called  "  the possession attack. " This Inisible Ships could have been seen for the misty matters moving like the Fantasma ( maybe the same  law ), and  had the darken shapes, only could be seen with the faint lights which had been scattered. Their ships had not only taken the high stealth  technology with distorting the space-time alignments, but also taken " the foreseeing acitons ", the attacks of the Oran's ships had been  forecasted and escaped. The Oran's Defence Force that had been maintained with over five times of the Eath's masses had ruined, the main  planets as the Ikan and Oran had been fallen. The both planets had been destroyed in pieces. The Oran's Headquarters had well known the  power of the Horarer forces, but nothing to do. The Oran's Headquarters had associated with the Mumou people and the Yooden people,  furthermore with SomeONE, too. But the Sticks the Horarer's Headquarters did not know it. The Oran's Headquarters had taken off the action  for using the forbidden power by SomeONE. The Oran people had already become the unclear spieces who had been living or dead, they  could  use this power with their own die. That is the rule of using the final option. SomeONE said that " You know it when you are dead."

 

You know it when you are dead[as]

 

Maybe only one rule that SomeONE would get along with various species. It should say " the rules of the afterlife[at]."  It seems that many  complications and struggles had been occured while this rule was carried out, and also seems not to be established even now. SomeONE has  replied to this without the riddling or gaming, but just has replied as the argument. It seems not to be the best way but the better way. When it  would had been started by  the survivors of the Haraher-Sleta War, and they had made themselves as the men in the hell[au]. And they had  been disapeared as the anonymous people that are THEY. The reason of this act is the three points ----- the one is to make the least  interference by the old species to the new species, the two is to kill off the evil species for being  damned to the hell, the three is to control the  IDEA fields which is the afterlife world. THEY make it if you want know anything you need, you should die. But the dead men cannot do anything  in the lifemen's world, just only tell  the words.

 

 オラン人は自らの存在を消すことで何モノかの力を得、そしてホラレル人に勝利した。何モノかは時空間エネルギーを操作する方法は禁断の力に当たるとし、生きている者にその使用を認めていなかった。それを認めてしまうと力が支配する世界が宇宙に蔓延してしまうからだ。しかしそれは科学技術の進歩によっていずれ獲得される技術力であり、事実ホラレル人はそのようになった。オラン人はその技術力が高まる中でこの問題に突き当たり、その技術力の獲得は目指さず、自らは生きて影の存在となる道を選んだようだった。イデアフィールドの研究も進み、事実上何モノかと同じ形態を取ることが可能となっていたが、最後まで何モノかの一部となる選択は取らなかった。何モノかとは一言でいえば『冥界の王』であり、カレを受け入れることは悪魔も受け入れることに他ならなかったからだ。悪魔にこの世を良くすることができる訳がない。この宇宙を平和にしていこうと考えるのなら、カレと一線を画す必要があった。ただ神への愛は新興種族に説いていたようだ。神とは知的生命体が作り出した良きイデアなのだから、神の世界に悪魔がいるのを見て信仰を捨てるのは間違いだとした。そのような結論を下したオラン人に、何モノかは様々な援助を与えたようだった。オラン人にはいつでもあの世に行ける準備ができていた。自分たちの代わりが務められる新興種族の準備もできていたようだ。

 ホラレル人の攻撃に合わせて、もう1つの「死なないと分からない」世界の住人であるヨーデン人が動きだした。彼らは斥候隊を編成し、ホラレル宙域に派遣した。予想されたとおり、そこにホラレル人は見つからなかった。テンサイ人の時と同じ状況だった。何モノかが彼らを空間ごと闇に葬ったと考えられた。ホラレル人やテンサイ人は時空間エネルギーを自在に操れたはずだったが、彼らが用意できる以上のエネルギーの前に敗北してしまったようだった。かつてこのような惨劇を見て以降、ヨーデン人は何もしない種族となったとのことだ。ヨーデン人自体は非常に古い種族の1つで、ある日突然いなくなる宇宙種族を何度も見てきている宇宙種族らしい。

 このような時、何モノかは事の次第を確かめに来た宇宙種族に簡単に事情説明を行うのが常のようだ。今回はホラレルのAIコマンダーが「我々が支配している時空間を上回る量の時空間を用意してきた場合に我々は敗北する」という結論を出していることが情報として伝えられた。ホラレルの中枢である『棒』たちはこの意見を重視しなかった。オラン人は神への愛を説くような論理性に欠ける連中とみなしていたからだ。ホラレル人にしてみれば、その神とは自分を超えることを許さない独善者の集まりだ。

 一方、イカン・オランが攻略されることでこの宇宙から存在しなくなったオラン人は何モノかの情報網とリンクすることに成功した。そのときまだホラレル艦隊は健在だったようだが、すぐにオラン宙域からいなくなった。ミナイ宙域、ミテナイ宙域にはオラン艦隊がそれぞれ1個地球質量程度派遣されれていたが、オラン人の消滅により彼らは主のいない船となった。オラン艦隊は何モノかの船となり、それぞれは的確に行動を行い、ミナイ人・ミテナイ人を抹殺した。かろうじてコマル人だけが生き残った。そこにはまだ生きている知的生命体がいたためと考えられる。ミナイ・ミテナイの滅亡はムモー人の斥候隊が確認した。何モノかから「どうにもならない連中だ」との説明があったようだ。

 

ーーーこうしてまたこの宙域全体に平和が訪れた。

 

 その後の10億年はコマル人社会からミテナイ人的な要素を排除することに何モノかの関心が向けられていたようだった。この地域からは後世に名を残すような優秀または悪辣な宇宙種族は現れなかったようだ。悪辣であることも何モノかの世界においては生き残り戦略となることは、カレらの世界を観察すればよく分かることだ。それが悪魔の正体であるかもしれない。しかしそのような悪魔になるには、何億年もの長きにわたって圧政を敷いてみせるとか、何億人もの人を殺してみせるというようなことをしないと『あの世』の人々の記憶には残らないようなので、とても生身の人間に出来る技ではないようだ。『あの世』の世界においては、記録されるということより、記憶に残るというようなことがより重要であるらしい。この点で、コマル人はどれにもなれなかったようだ。悪魔になろうと悪魔的な行いをしても、それを上回ることをしてみせた悪魔が既にいるということだ。『あの世』の世界ではやがてその悪魔のキャラクターに融合されることになってしまう。この話題は何モノかもしくはカレらの発言からよく聞かれる言葉だ。それは悪魔を増やさないための何モノかのルールであるようにも思われる。

 そのため、神のルールを掲げるミテナイ・コマル人の『移住』ーーーつまり平和的な侵略は、何モノかの攻撃を受けて、どこか逃亡劇のような様相を見せ始めた。前述の超銀河団間戦争により母星を失ってしまったので、知らぬ間にさすらい人になってしまうという悲劇にも見舞われていた。これに合わせて彼らが最終的に向かっていたうみへび座超銀河団周辺は彼ら残余のゴミ溜め場のようになっていった。

 ミテナイ人もコマル人も自分たちはうまくうみへび座超銀河団に移住したと思っていたが、実際は彼らに裁きを加えるヒドイ人の支配下に置かれることになったようだ。前ヒドイ人は『あの世』で駆け引きを行い、ミテナイ・コマル人たちの考えを変えさせる目的で復活を遂げていた。ミテナイ・コマル人が接触したといううみへび座超銀河団に残っていた種族とは、何モノかがミテナイ・コマル人をだますために用意した前ヒドイ人の亡霊だったのだろう。彼らは分類上ヒドイ人[*19]と呼ぶことにする。彼らは移住してきたミテナイ・コマル人を強権的に支配して、絶大的な権力を誇った。その圧政に苦しんだミテナイ・コマル人たちは、ここから抜け出すことばかりを考えるようになったようだ。

 

ーーーこれから先の宇宙の歴史は、現在我々が暮らす地球や宇宙の歴史と密接にかかわる部分でもあるらしいので、また別の歴史学的な見地からの考察をする必要があるようだ。歴史とは現在へとつながる因果律の積み重ねであるので、今現在ここに暮らす地球人の有り様を無視して語ることは出来ない。地球人が今ここにいるという結果から、その原因を探ってみる必要があるということだ。今地球人がここにいるということは単なる自然現象の結果といえばそれまでだが、そうでないとすると我々が自然発生的に存在できている理由を考えなくてはならない。このSFは後者である場合の考察でもあるので、半ば強引にその理由を考え出していく。我々より優れた宇宙種族がいれば地球侵略などたやすいことであり、そうならない理由を考えるということだ。ちなみにコマル人は何モノかの攻撃を受けて、周辺星系や銀河を荒廃させるまでに作り変えていき、後発の知的生命体が生まれ出でる可能性を摘み取っていってしまったようだ。地球人がそんな荒廃した大地に立たなくても良くなった理由も合わせて考えていく。

 なんらヒントはないが、我々が今存在しているという事実からその存在理由を考えていくと分かることもある。あと分からないことは観察あるのみだ。地球人とは思えないなんらかの意思をキャッチすることができれば、そこから過去をたどることは比較的容易だ。カレらはあきらかに過去の歴史を引きずっているからだ。

 そこからどの種族と連携し、どの種族とは交流しないかというところまで考えていく。戦争までは考えなくても良いようだ。これは政治ではなく、むしろ思想だ。彼らの話の断片をつなぎ合せえていけば、おのずと見えてくる考え方がある。ーーー『アンドロイド社会を作ってはならない』ーーー『対立構造を捨ててはならない』−−−『AIコマンディングに頼ってはならない』ーーー『時空間エネルギーを操作してはならない』−−−何モノかの言わんとするところはどこか教条主義的だが、未来の地球を作り上げていくにはとても参考になる話題だ。この物語はそれを見抜くストーリーでもある。どこの宇宙人がどのようにして神に負けましたーーーといった話はじつはどうでもいい話題だ。この物語が正しい宇宙史を述べているとはあまり思わないし、何モノかも正しい歴史を伝えているわけではない。他の種族においては『このようにして宇宙は平和になりました。終了』という終わり方をするところもあるようだ。これは要らぬ心配を現地民に与えさせないための何モノかの配慮であるようにも思われる。しかし歴史というものは過去から未来へと続く終わりのない人間の葛藤であり、対立構造を維持させた場合は葛藤が闘争に、闘争が戦争につながる場合もある。それが宇宙規模で展開される場合もありうるーーーこの章の大部分を占めている話題だ。

 対立構造を放棄した場合はやがて全てが1つになり、内部では闘争が起こらなくなるが、それが外部の異種族と接触した場合に様々な問題を惹起して新たな闘争の火種となっているようだ。端からみておかしな価値観を押し付けてくる種族もいる。すべてが『母親』とか呼ばれるAIコマンダーの指示の下に動き、人間が自由意思で生きることを否定される社会だ。日本風にいうと『一人勘定[*20]』で全てが動く社会だ。カレらの弁では

 

『全てが一人勘定で動いている範囲内で自由がある』

 

とのことだが、自由のない社会には違いないので新たなものに乏しく、外に刺激を求めるようになる傾向があるようだ。それが外からやってきた種族には侵略者のようにしか見えないのは間違いない。また彼ら侵略者は日本のような民主主義が形式的なものである(少なくとも日本の知識人たちはそのように言っている)社会に親近感を覚えるようだ。政治とは形式であり、どのような政体であっても未来に対する明確なビジョンを持たなければ衆愚に陥るだけだろうが、侵略者たちの政体はまさにこれであるようだ。衆愚だ。本音と建前を使い分けるのが上手な民族は容易にこれに堕する要素が満ちていると考えているようだ。移住先に良いということだ。

 次節ではそのあたりの動きも見ていくが、それはホラ人[*18]たちの物語だ。観測できる妄想部分でもあるので、想像だけで物語を作るのではなく、観測できたものから観測できないものを想像してつなげていくストーリー構築法を取る。いずれにしても妄想を妄想でつなげていくという方法を取っているので事実でないが、ストーリーである分にはなんら問題はない。文学であるということだ。おそらく日本人がもっとも不得意とする部分だろう。ガリバー旅行記[23]やユートピア[21]といった虚構と現実が入り混じった作品は日本の文学には存在していないからだ。

 

 

Figure Af: The difference of The History and The Story  

 

 

The History can be said as the continuous onsets that are the cause and effect. If only mentioned about the historical facts or events, that is  called as " the history ". Make the events between the historical facts and join them is called as " make the story ", it is not the history. But it is  one of the technique to make the historical novel. Mutopia the Hardcore SF stories uses it, and also uses the way of the mention of the history.  But all the cause and effect is in the delusion. Just we can know is only one ---- the present of The Earth, however, traced the causality from  the present of The Earth to the past, we could have been realized the stories of The Universal Species.

 

   

   

   

   

 

Notes >>

*17  ^  Japanese pronunciation was " komaru." It meant ' have trouble.' It seemed two or three Species in Coma supercluster. It seemed

         there were no man's land even today because The Mitenai had picked out seeds of intelligent lives for their colonization.

*18  ^  Japanese pronunciation was " hora." It meant ' a lie ' or ' hey ! ' ( homonym ). They were supposed the anonymous intelligent lives.

         Their language was often used the repetition word ( the example is " ma-ma " ), the culture had been a bit similar to Japanese or

         Chinese. AI commanders had supposed to enforce tyrannical rules, but exterminated. They made an heir who was called ' The Ahora.'

         The Mitenai was a mixed Species with The Hora and The Minai.

*19  ^  Japanese pronunciation was " Hidoi." It meant ' terrible.' They were supposed ' little Hora.' They had tried to turn things iwhich they

          were under AI commander's control, and exterminated.

*20  ^  Japanese pronunciation was " Ichininn-kannjou." The literal translation was ' one-man direction.' It meant ' dictatorship.' It does not

           the matter whether the dictator was tyranny or friendly.

       

 

Reference >>

al.  ^  Matrix

am.  ^  The Wachowskis

an.  ^  Coma Supercluster The picture is from  International Astronomical Uniion ( IAU ).

ap.  ^  Lamia

aq.  ^  Dictionnaire Infernal by J. Collin de Plancy[av]

           ^  book: 床鍋剛彦・吉田八岑 訳 / コラン・ド・プランシー 作 『地獄の事典』 ISBN-13: 978-4062012973

ar.  ^  Hydra Supercluster  The picture is from  International Astronomical Uniion ( IAU ).

aw.  ^  The picture is from  the Earth's location in the Universe.jpg by Andrew Z. Colvin[ax]

as.  ^  the Heaven

at.  ^  the afterlife

au.  ^  the Hell

av.  ^  Jacques Collin de Plancy

ax.  ^  Andrew Z. Colvin