The Last Supper (1495-1498)[7]
そのゲームとは、一種の謎解きだった。ただし出題者は謎解きをさせようとはしておらず、強要もしていない。たとえば、こんな感じだ―――
―――天文ファンである私は、ある時、久しぶりに空を見上げてオリオン座の姿があることを見つけた。視界一杯に広がるオリオン座の勇姿だ。私がその雄大さに感じ入っていると、
『オリオン座の見え方が違う』
という男性の声がふいに私の心の中に飛び込んできた。残念ながら、地球上にオリオン座の見え方が違う場所は存在していない。私は何を思ってしまったのだろうかーー。しかし私は別に驚く訳でもなく「へえ」と思っていると、その男性は『三つ星は同じように見える。もっと平べったい』とさらなる発言をしてきた。軽い感想程度のものだろうか―――
私の心の中から湧き上がってきた妄想にしては、発想が少し地球人離れしている。もしこれが地球人からのものでないとすると、これはとても重要な情報だ。
オリオン座を構成する星々は、地球から約1300光年先にあるオリオン大星雲から生まれた星々であると考えられ、三つ星は右からデルタ星が約692光年先、イプシロン星が約1976光年先、ゼータ星が約736光年先と位置がバラバラだ。これを同じ三つ星としてとらえるには、地球と同方向で、かつデルタ星(約692光年)よりも地球寄りに位置している必要がある。カレらの所在がおおよその位置で特定できる話だ。三つ星の並びが違うと考えれば、おうし座方向やいっかくじゅう座方向から見ても同じ三つ星を見ることができる。イプシロン星が他の2つよりもはるかに遠いところがポイントだ。この場合、カレらはデルタ星より内側(銀河中心方向)にいるということしか分からない。
Figure1: The location of the tri-star in Orion[8][9][10][11] Figure2: The line (the range) where they have lived[12][13][14]
If let δ-Orionis be 692 light year away, ε-Orionis be 1976 light year away, ζ-Orionis be 736 light year away (from SIMBAD Astronomical Database[15]browsed in 2013), it considered that THEY might live in within about 40-light-year-width square (Figure1). If considered that THEY might see the different location of the tri-star, the lines that THEY can see a true tri-star are spread about 60 light year away (Figure2), and the range is changed within 692 light year around (but this may be little irregular). If Monocerus people or Taurus people might exist, THEY might live in 66light year away (Aldebaran[16]), or 150 light year away (Hyades cluster[17]), but not β-Monocerotris (700 light year away )[18].
この発言を事実として捉えた場合、カレらは同じ銀河系内の、しかもオリオン腕内という、宇宙的な規模でみれば極めて近い位置で、我々より先に文明化しているということになる。
別にこの発言は謎かけではないし、謎解きをさせようとしている訳でもない。しかしカレらが何を背景としてそのような発言を行っているのかを探ることは、一種の謎解きだった。これがカレらが黙示的に仕掛けてくるゲームの全容だった。
References >> |
7. ^ The Last Supper by Leonardo da Vinci[19] 8. ^ Orion constellation The picture was from Orion consellation_map.png by Torsten Bronger[20] 9. ^ δ-Orionis; Mintaka 10. ^ ε-Orionis; Alnilam 11. ^ ζ-Orionis; Alnitak 12. ^ Monoceros constellation The picture was from Monoceros constellation_map.png by Torsten Bronger[20] 13. ^ Taurus constellation The picture was from Taurus constellation_map.png by Torsten Bronger[20] 14. ^ Gray type E.T. 15. ^ SIMBAD Atronomical Database 16. ^ α-Tauri; Aldebaran 17. ^ Hyades cluster 18. ^ β-Monoceros 19. ^ Leonardo da Vinci 20. ^ Torsten Bronger |